今日の財務における拡張計画・分析について理解する
拡張計画・分析 (xP&A) は、財務計画・分析 (FP&A) の基盤上に構築され、営業、人事、オペレーションなど、各部門を財務部門と連携させます。拡張計画・分析フレームワークは、組織のあらゆる部門が共通の目標やリアルタイム データに基づいて連携し、シナリオ計画、的確な意思決定、高いアジリティを達成できるよう支援します。この xP&A 導入ガイドでは、xP&A の仕組み、xP&A が企業にもたらすメリット、Workday などのツールが xP&A を実現する方法をご紹介します。
xP&A とは?
xP&A は FP&A を企業全体に拡張します。FP&A チームは財務領域内で予算編成や予測に取り組む一方、xP&A は、営業、人事、サプライチェーン、オペレーションを取り込むことにより、1 つの統合アプローチを通じて事業計画を促進できるようにします。1 つのデータソースを構築し、アジリティや整合性を高め、企業全体の実数と目標が反映された計画の策定を支援します。
多くの市場が急速に変化する中、企業は静的な計画では対応できないため、xP&A を活用しています。たとえば、小売企業は予測不能な需給変動に対応する必要があり、医療組織は現在の患者数に合わせて人財配置を調整する必要があります。xP&A を使用すると、すべての部門が同じデータを使用して業務を行い、その情報を活用して計画を継続的に更新できるため、インサイトをすばやく取得し、財務モデリングを強化し、予期せぬ問題を低減できます。
重要なポイント:
- xP&A は FP&A の進化形であり、計画対象を財務だけでなく企業のあらゆる領域に拡張します。
- 企業は xP&A によってコラボレーションを改善し、リアルタイム データに基づいて行動できます。
- xP&A は継続的な予算編成や予測を支援します。従来の計画手法のように一定のサイクルに縛られることはありません。
- 先進的なソフトウェアは、シナリオ計画、データ統合、AI ベースの財務モデリングといった機能を提供します。
- Workday は xP&A を実現するプラットフォームを提供し、人財、データ、意思決定をひとつのシステムに統合します。
「Workday Adaptive Planning は人事と財務をひとつのプラットフォーム上に集約し、予測や意思決定を改善する基盤を提供します。そのため当社のグローバル オペレーションは大きく進化しています」
—Philips 社、HRIS グローバル ディレクター、Efthymios Zindros 氏
xP&A が財務/オペレーション全体を支援する仕組みとは?
拡張計画・分析の定義はシンプルに聞こえますが、xP&A は実のところ極めて複雑です。人事、営業、サプライチェーン、オペレーションを含むすべての部門は、目標達成に必要なデータを xP&A を通じて取得します。
戦略的に見ると、xP&A は FP&A、企業パフォーマンス管理 (EPM)、コーポレート パフォーマンス管理 (CPM) と併せて活用され、成果を測定してパフォーマンスを推進します。xP&A は予測分析と直接結びついているため、リーダーがシナリオをテストし、適切な意思決定を行ってコストのかかるリスクを軽減できるよう支援できます。xP&A の役割と責任は企業によって異なりますが、xP&A の意味と目的は変わりません。
xP&A の主な構成要素は以下のとおりです。
統合事業計画
xP&A は基本的に、全社的な目標を人財が日常業務を通じて対応できる計画へと落とし込みます。売上目標は、単なる数字から、人事のヘッドカウント計画やサプライチェーンの在庫ニーズを導く主要要因へと変わります。企業のすべての業務は同じデータ モデルに基づいて行われるため、組織のあらゆる情報は同じパラメータを使って瞬時に更新されます。
データドリブンな意思決定
従来の計画手法ではスプレッドシート間やデータ間に差異が生じるため、最も正確なデータセットを特定することが困難でした。一方 xP&A では同一の指標セットが使用されるため、データの一貫性が全社規模で確保されます。リーダーは 1 つのダッシュボードからあらゆるデータ内容を把握し、正確な予測や意思決定を導き出すことができます。
シナリオ計画と予測
xP&A では、さまざまな可能性を検証することでシナリオ計画や予測を推進します。需要が急増するとどうなるか、供給コストが上昇するとどうなるかなど、さまざまな可能性をローリング予測でテストすることにより、チームはキャッシュ、収益、オペレーションへの影響を横に並べて比較・確認できます。予測分析は潜在的な結果を明らかにするために役立ちますが、最終的な方針を決定するのはリーダーです。すべてのシナリオが同じ構造とデータを共有するため、リーダーは選択肢を容易に比較し、成長とリスクのバランスに配慮して適切なシナリオを選択できます。
ご存知でしたか?
BPM Partners 社は、94% の組織が財務領域だけでなく業務領域に計画対象を拡大していることを明らかにしています。これは xP&A 主導のアプローチへと移行が進んでいることを示唆します。同じ調査によると、53% の組織はすでにワークフォース プランニングに xP&A を活用しています。
xP&A が企業にもたらすメリット
財務、人事、営業、オペレーションがひとつのシステムを通じて計画を策定すると、必要な答えを迅速に取得し、的確な意思決定を行うことができます。先進的な xP&A ソフトウェア ソリューションは、あらゆる情報を統合システムに集約することにより、リーダーがビジネスの全体像を把握したうえで、情報に基づいて迅速な意思決定を行えるよう支援します。適切な拡張計画・分析ツールがあれば、事業継続計画を策定し、キャッシュや利益率の管理を強化し、先行指標に基づいて行動を起こすことができます。規律ある xP&A 手法や再現可能な xP&A プロセスは、予測精度の向上、意思決定サイクルの短縮など、測定可能な ROI を実現し、損益計算書にもポジティブな影響をもたらします。
xP&A を導入して利益性を高めることにより、以下のメリットを期待できます。
リアルタイム インサイトと迅速な意思決定
各計画を 1 つのモデルに統合することにより、リーダーは採用計画の変更や供給遅延などの変化を直ちに確認できます。その結果、その日のうちに軌道修正を行い、キャッシュや利益率を計画どおりに維持できます。たとえば、Workday Adaptive Planning に移行した CNA 社は現在、8 つのグローバル チーム全体でリアルタイムに計画を策定し、経営幹部の意思決定を 1 日で実行し、計画ツールに費やす IT コストを 30% 削減しています。
部門間のサイロ化の解消
単一のプラットフォームは、リーダーと部門間で発生する多数のやり取りを不要にし、誰もが同じデータを使用して自身の計画を主体的に管理できるようにします。Capstone Logistics 社は Workday を通じてこのような環境を実現し、各部門のデータを 1 つのライブ モデルに統合しています。その結果、チームはコストやキャパシティのギャップを特定し、月次報告資料の作成時間を 50% 短縮しています。これは複数の買収を経た後も変わっていません。
予測精度とリスク管理の向上
ローリング予測とシナリオ テストは、リスクを早期に可視化することにより、チームが必要に応じて軌道修正を行い、正確な予測を導き出せるよう支援します。Workday Adaptive Planning に移行した CORT 社は、同社のレポーティング タイムラインを 3 か月短縮し、予測精度を 80% 改善した結果、月次予測を実現し、需要の変化にすばやく対応しています。
xP&A と従来の計画の違いとは?
企業が従来の計画手法を設計した当時は、環境の変化が緩やかで、競争も激しくありませんでした。一方 xP&A は最先端企業と同じスピードで動作します。そのため、新たな競合他社が日々オンライン上に出現し、最新の主要トレンドに乗って成功を収める今日の環境にも対応します。
xP&A は統合事業計画 (IBP) を通じて各部門をリアルタイムに連携させますが、従来の計画手法は社内の部門ごとに個別に対応します。先進的なプラットフォームは、ビジネス インテリジェンスと予測分析を組み合わせることにより、状況の変化に合わせて計画を更新します。多くの組織にとって xP&A は計画の未来を意味します。
計画の範囲
従来の計画手法では、各チームが主に自身のデータのみを使用して計画を策定し、他のチームは求められた場合にのみ情報を提供していました。多くの場合、計画は財務部門を中心に策定され、予算、コスト、期間締めに重点が置かれていました。一方 xP&A では計画が協働で行われます。各部門はあらゆる社内データを使用して計画を策定し、IBP サイクルに連動された包括的な目標に向けて取り組むことができます。
データソースとコラボレーション
従来の計画手法を使用する企業では、個別のスプレッドシートを使用したり、照合を手作業で行ったりすることが少なくありません。いずれの場合も財務の連結処理を遅らせる原因となります。意思決定が最新情報ではなく 3 か月前のデータに基づいて行われる場合もあります。一方 xP&A では、統合データ モデルを通じて企業のあらゆる変化が自動的に通知されるため、すべてのチームが認識をすり合わせることができます。コラボレーションは事後的に行われるのではなく、計画の策定時にリアルタイムに行われます。
企業の応答性
四半期/年間サイクルで計画・再予測する従来の手法では、経営陣向けレポートが完成するまで意思決定が保留されることが多いため、組織のアジリティが制限されます。一方 xP&A では、リアルタイム データを使って予測を行い、過去や現在のトレンドに基づいて先を見据えた計画を策定できます。企業はシナリオをテストすることにより、将来に向けて実行可能な計画を策定できます。
ご存知でしたか?
IDC 社による 2024 年の調査レポート『The Business Value of Workday』によると、Workday に移行して計画に xP&A アプローチを採用した企業は、以前のシステムを使用していた頃と比べて年間収益が平均で 5,361 万ドル増加し、予測精度が 27% 向上しています。
xP&A を支えるツールとは?
xP&A は通常、シンプルなインターフェイス、バックグラウンドで行われる高速なモデリング、コラボレーション、自動化が融合された計画ソフトウェア上で動作します。企業が一般的に求める基本機能には、柔軟なローリング予測、ドライバーベース計画、差異分析の明確な基準が含まれます。多くの場合、拡張計画・分析のベストプラクティスを実践し、最先端の xP&A システムを使用するチームは、信頼性の高い結果を導き出し、競合他社の先を行くことができます。
xP&A ソフトウェアの一般的な機能
機能はソフトウェアによって異なりますが、Workday などの主要ベンダーは、拡張計画・分析の価値を最大限に引き出す高度な機能を提供します。これには以下が含まれます。
- 統合ダッシュボード: 財務データ、人事データ、営業データ、業務データを統合することにより、すべての計画で同じディメンションや定義を使用できるようにします。
- リアルタイム レポート: ライブ ダッシュボードやセルフサービス ツールを提供し、チームが収益、利益率、キャパシティ、キャッシュフローをオンデマンドで追跡できるよう支援します。
- AI 主導のシナリオ計画: 無制限の「What-If」分析に対応し、最も可能性の高い結果を導き出します。
- ドライバーベース計画: 価格、数量、ヘッドカウントをビジネス成果と直接結びつけます。
- 差異分析と監査証跡: 実際の結果と計画内容を比較し、パフォーマンス ギャップの詳細を明らかにします。
- ローリング予測: 月/週単位の頻繁な更新を通じて計画を最新の状態に保ちます。
- 設定可能な入力フォーム: 計画データを一貫した形式ですばやく収集し、エラーを削減します。
- コラボレーション ツール: タスク、コメント、ワークフローを通じて計画サイクルを加速します。
- 拡張可能なモデリングとガバナンス: 損益計算書からワークフォースに至るまで、あらゆる計画に対応しながらアクセスを保護します。
導入に関する課題とタイムライン
コストや導入のタイムラインを懸念して xP&A の導入に躊躇する企業がありますが、その必要はありません。ほとんどの場合、予測精度の向上、意思決定サイクルの加速化、手作業の削減により、投資を早期に回収し、導入当初にかかった時間/コストを上回る効果を達成できます。
タイムラインは導入範囲に応じて異なりますが、明確な導入戦略を策定している組織の多くは、4 か月~ 6 か月以内でデプロイとトレーニングを完了できます。移行をスムーズに行うためには、以下に配慮します。
- 段階的にロールアウトする: まずは 1 つの部門/拠点に着手し、その範囲内でベストプラクティスを構築・調整し、ユーザーのトレーニングを実施し、ガバナンスを構築した後、他の領域に導入を拡張するようにします。
- データをクリーンアップする: 導入プロセスをスムーズに進めて障害の発生を回避するため、勘定科目表、顧客/製品階層、定義は統一するようにします。
- 明確なオーナーシップを割り当てる: フェーズごとに責任者を割り当て、各チームのトレーニングや連携が適切に行われるようにします。
- トレーニングやチェンジ マネジメントに投資する: xP&A の重要性や既存のプロセスとの関係性を説明するセッションを初期段階で実施します。
Workday Adaptive Planning の導入計算ツールを使用すると、組織は本番稼働までの時間を見積ることができます。
コストは導入範囲や企業規模によっても変わってきます。繰り返しになりますが、後で予期せぬ問題が発生しないようにするためには、計画を策定することが最善策です。計画を正確に策定するには、ソフトウェアへのアクセスが必要な社員の数を特定する必要があります。コストは通常、社員数に応じて変動するからです。まずはソフトウェアへのアクセスが必要な社員にのみアクセスを付与します。組織がシステムの運用に適応し、十分な予算が確保されたら、対象社員を拡大するようにします。
xP&A に対する Workday のアプローチ
Workday は、財務、ワークフォース、営業、オペレーションをつなぐ AI 主導のプラットフォームを活用することにより、xP&A に対応する企業パフォーマンス管理を実現します。Workday Adaptive Planning により、チームは同じツール内でシナリオのモデリング、ローリング予測の管理、結果の比較を行い、AI が提供するインサイトを活用して数値を効率的に統合できます。これは、組織のあらゆる領域で今起きていることを把握したうえで、事業規模の拡大を見据えた計画を策定できることを意味します。
Workday Adaptive Planning についてご確認ください。