年間賃金補助とは
年間賃金補助 (AWS) とは、1 か月の基本給に相当する金額を支給する追加手当を意味し、一般的には「13 か月目の給与」と呼ばれています。一部の企業は従業員に毎年支給しています。裁量で支給される賞与と異なり、AWS は通常、支給額が事前に決定され、雇用契約やポリシーに明記されます。法律で支給を義務付けている国もあります。
年間賃金補助とは
年間賃金補助は、一部の組織が従業員に提供している福利厚生の一種です。通常は 1 か月分の給与が年末に追加支給されることから、「13 か月目の給与」と呼ばれています。年間賃金補助は、贈り物や旅行など、年末年始に出費がかさむ従業員を支援します。多くの従業員の意欲を高めるため、従業員の離職を防止する有効な手段にもなります。
一見似ていますが、この追加手当は賞与とは異なります。通常は給与額が決まっており、企業が慣例的または確約的に支給します。地域によっては法律で義務付けられている場合もあります。
年間賃金補助は賞与と同じでしょうか?
いいえ、年間賃金補助は賞与と同じではありません。どちらも特別報酬の一種ですが、給与計算、契約、コンプライアンスにおける取り扱いは大きく異なります。
賃金補助を提供する企業は通常、AWS を毎年支給することを定めたポリシーを策定しています。オーストリア、フィリピンなど、企業に AWS の支給を義務付けている国もあります。保証される支給額も固定されています。通常は給与の一定割合の金額または 1 か月分が支給されます。
年末賞与や休暇賞与は AWS のように支給が保証されません。一般的に年間賞与は企業の裁量によって支払われ、従業員や企業が特定の目標や業績指標を達成した場合に支給されます。年間賞与の給付が企業のポリシーに明記されていない場合、企業はある年には賞与を支給し、ある年には賞与を支給しない場合があります。また、支給される賞与の金額はその都度大幅に異なる場合があります。
AWS が法律で義務付けられる場合とは
年間賃金補助の支給を法律で義務付けている国はほんのわずかです。AWS の支給が義務付けられている場合、企業は関連する社内契約、労働協約、国内法を遵守する必要があります。支給時期、対象範囲、計算方法は、国や地域が定める規制に従う必要があります。
たとえばオーストリアでは、労働協約の適用対象となる従業員に対し、年 2 回の AWS 賞与を 6 月と 11 月に支給することを義務付けています。
AWS が法律で義務付けられていない地域であっても、組織は AWS を支給することができます。雇用契約や追加手当の合意書に AWS が明記されている場合、従業員は AWS を他の合意済みの報酬条件と同様に扱うことができます。合意済みの AWS を支給しなかった企業は、国や地域に応じて、未払い手当の遡及払い、行政罰など、債務不履行処分を受ける可能性があります。
年間賃金補助を公正かつ正確に計算する方法
年間賃金補助の計算方法は、従業員に補助賃金を支給する方法に応じて異なる場合があります。たとえば、1 か月分の給与をすべての従業員に支給する企業もあれば、1 年間に特定の目標を達成した従業員に対して 1 か月分の給与の 1.5 倍に相当する AWS を支給する企業もあります。これらのシナリオでは AWS を異なる倍率を使用して算出しますが、計算式は基本的に同じです。
最も一般的な AWS の計算方法は、1 か月分の基本給を使用する方法です。この方法は毎月同額の給与を受給している従業員に適しています。ただし従業員の給与が月ごとに変動する場合は、月平均基本給を計算する必要があります。
計算式 1 — 標準的な AWS の場合 (毎月の給与が一定の場合)
月平均基本給 = 年間の基本給支給総額 ÷ 支給月数
次に、月平均基本給に AWS 倍率を掛けて AWS の支給額を算出します。
例:
- 従業員の年間基本給: 84,000 ドル
- 支給月数: 12 か月
- AWS 倍率: 1
- 月平均基本給 = 84,000 ドル ÷ 12 = 7,000 ドル
- AWS = 7,000 ドル × 1 = 7,000 ドル
パートタイム従業員に追加給与を支給する場合は、AWS の支給額を同じ方法で計算できます。毎月の給与が一定の場合はその月額を使用し、給与が変動する場合は月平均額を使用します。
計算式 2 — AWS を按分する場合 (年度途中入社の従業員の場合)
按分された AWS = 月間基本給 × AWS 倍率 × [勤務月数 ÷ 12]
例:
- 従業員の月間基本給: 5,000 ドル
- AWS 倍率: 1
- 勤務月数: 6 か月
- 按分された AWS = 5,000 ドル × 1 × (6 ÷ 12) = 2,500 ドル
その他の要因が AWS の計算に影響を与える場合もあります。たとえば一部の企業は、勤続年数に応じて倍率を高く設定する場合があります。以下ではこのシナリオに基づいて AWS の計算例を 2 つご紹介します。
計算式 3 — 勤続年数に応じて AWS 倍率を変える場合
勤続 1 年の従業員 (1 × 1 か月分の給与):
AWS = 月間基本給 × 1
勤続 10 年の従業員 (2 × 1 か月分の給与):
AWS = 月間基本給 × 2
時間外勤務手当に関する注意点: AWS の計算に時間外勤務手当を含める必要があるかどうかは、国や地域によって異なります。米国では、企業が公正労働基準法 (FLSA) の適用対象であり、雇用契約に AWS 形式による支給を明記している場合、従業員の年間給与を計算する際に時間外勤務手当を考慮する必要があります。これは最初の例でご紹介した月平均基本給の計算式を使って算出できます。他の国や地域では AWS を計算する際に時間外勤務手当を除外する場合があります。常に地域の規則を確認する必要があります。
世界各地に従業員を擁する大規模な組織では、国や地域ごとに異なる倍率、按分方法、時間外勤務規則、法定要件に対応する必要があるため、AWS の計算はすぐに複雑になります。
AWS に関するよくある質問
年間賃金補助の定義とは
年間賃金補助は通常、従業員の基本給に基づいて年末に支給される、予測可能な金額の手当を意味します。企業によっては、パフォーマンスや勤続年数に基づいて高い倍率を適用するため、AWS が 1 か月分の給与額を超える場合があります。
AWS の一般的な支給額は?
AWS の支給額は通常、正社員かパートタイム従業員かを問わず、1 か月分の給与に相当します。企業がパフォーマンス ベースの賞与として支給する場合や、勤続年数に応じて高額な手当を提供する場合、AWS は 1 か月分の給与を超える可能性があります。
支給すべき時期は?
組織が地域の AWS 関連法令の対象となっている場合や、社内ポリシーに AWS を明記している場合を除き、支給時期は特に定められていません。ただし多くの組織は、従業員の年末年始の出費を支援するため、年末に支給を行っています。
必要な書類とは
年間賃金補助を雇用契約に含める組織は、支給対象者の条件や適用する倍率を定めた明確なポリシーを整備する必要があります。新入社員やパートタイム従業員の AWS を算出する際に使用する按分方法も明記する必要があります。基本給の履歴を含め、正確な給与記録を維持する必要もあります。そうすることで、監査の実施時や従業員との給与トラブルが発生した場合、明確で説得力のある計算方法を示すことができます。
離職が AWS の受給資格に与える影響は?
社内ポリシーや雇用契約が特定の期日 (支給日など) まで在籍していることを支給条件としている場合、離職は AWS の受給資格に影響する可能性があります。AWS の支給が法律で義務付けられている場合は通常、既存の権利が失効することはありません。そのため多くの企業は、その年の従業員の勤務期間に応じて按分された AWS を支給します。
Workday が各国の AWS 計算を支援する方法
Workday は、人事データ、勤怠データ、給与データを 1 つのプラットフォームに統合し、双方向の連携を通じて現地の認定済み給与計算パートナーのネットワークに接続します。そのため多国籍企業は人事データと給与データをひとつのシステムで管理し、給与計算は現地で実行できます。 さらに Workday 給与計算を使用すると、複数の給与グループや国をまたいでデータをリアルタイムに可視化できます。