人間中心のアプローチで AI 導入を迅速に拡大する
組織が AI 変革を成功させるためには、3 つの柱に基づいて人間中心の戦略を策定し、部門横断的に主導して、組織全体が共感を実践できるようにする必要があります。
Chris Ernst
最高学習責任者
Workday
組織が AI 変革を成功させるためには、3 つの柱に基づいて人間中心の戦略を策定し、部門横断的に主導して、組織全体が共感を実践できるようにする必要があります。
Chris Ernst
最高学習責任者
Workday
AI エージェントの台頭は、革新的な効率化をもたらすことが期待されていますが、このような期待を現実のものとし、AI で真の変革を実現するには、まず AI 導入の担い手である人間に配慮・対応する必要があります。
最高情報責任者 (CIO) や最高学習責任者 (CLO) である私たちは、今まさに新しい働き方、学習方法、コラボレーション方法を構築しているのです。社員が AI 導入に躊躇している場合や、十分なトレーニングを受けていない場合、または AI が日常業務にどう役立つのか明確に理解していない場合、いかに高度なシステムを導入しても効果を引き出すことはできません。
AI ファーストの組織を実現する取り組みを加速させるなかで、Workday はこの課題に真正面から取り組みました。当初から人間を中心に据えた当社の取り組みは、リーダーが AI 導入を進めるうえで有用なロードマップとなります。
ガイド
最初の一歩は基本的な真実を認めることでした。つまりテクノロジー自体は中立的ですが、テクノロジーに対する人間の感情は中立的ではないということです。
AI の可能性に期待を寄せる一方で、雇用の安定に対する極めて現実的な恐怖や不安が存在すること、効果的かつ低リスクで活用する方法が不透明であること、精度に対する懸念が生じていることを私たちは理解しました。
つまり、テクノロジーありきで導入を強制的に進めると、抵抗感を強めることになります。私たちは徹底的な社内調査を通じて導入を阻む真の障壁を明らかにし、共感を実践することから始める必要がありました。
社員の 43% は AI ツールを試す時間がないと回答しました。
37% は AI ツールを効果的に使用する方法がわからないと回答しました。
37% はAI の信頼性と精度に懸念があると回答しました。
このようなインサイトは、Workday が社外を対象に実施した調査と併せて、当社のアプローチを方向付ける大きな原動力となりました。私たちは AI 導入がチェンジ マネジメントの取り組みであり、人事、IT、ラーニングと能力開発の各リーダーが連携して部門横断的に主導していく必要があることを理解しました。
AI はあらゆるものを変化させます。そのためほとんど誰もがその影響を受けます。ラーニングと能力開発チームは IT チームの担当者と連携し、不安を自信に変え、不透明さを習熟へと変える戦略を定義しました。
テクノロジー自体は中立的ですが、テクノロジーに対する人間の感情は中立的ではありません。
調査結果に基づき、私たちは包括的なイネーブルメント イニシアチブである「EverydayAI Program」を立ち上げ、人間を中心に据えた 3 つの核心的な柱 (マインドセット、スキル、持続的習慣) をその基盤としました。
テクノロジーの導入とは、本質的にはマインドセットを転換することです。私たちは根底にある不安に対処し、共通の目的意識を育むことに焦点を当てました。つまり「どんな問題が起きるか」という問いから、「どんな良いことが起きるか」という前向きな探求へと、意識をシフトしていくことを意味していました。
私たちは、社員主導の学習機会、グローバルな「プロンプタソン」イベントなど、全社的な取り組みを開始しました。これは、数千人に及ぶ Workday 社員が、安全かつ楽しい環境で、AI ツールの活用を実践できる共同体験の場となりました。社員が主導するコミュニティ ベースの学習機会は、自信を構築し、抵抗感を克服するうえで非常に効果的であることがわかりました。
適切なマインドセットが確立された後は、実践的なスキルに焦点を移しました。私たちは Workday 環境内にグローバル デジタル アカデミーを立ち上げ、イネーブルメントのセントラル ハブとしました。CLO としての私の視点から言えば、学習を真に効果的なものにするには、それが実業務に即しており、いつでも簡単にアクセスできる状態である必要があります。
このハブは、ツール別のトレーニングから、独自に構築された AI ソリューションを共有するコミュニティ主導のマーケットプレースに至るまで、あらゆるものを提供します。このハブは、最も必要なときにその場で学習を届け、スキル開発を日常業務に組み込むことで、「効果的な使い方がわからない」という障壁に真正面から対処しているのです。
持続可能で現実的なものでなければ、プログラムは成功しません。私たちは AI の使用を 1 回限りのイベントではなく、習慣として持続させる必要がありました。そこで私たちは、AI 導入をさらに促進するために設計された、ゲーム感覚で楽しめるソーシャル ラーニング アクティビティ セット「EverydayAI Plays」を立ち上げ、これを実現したのです。
私たちは不安を自信に変え、不透明さを習熟へと変えました。
特に重要なことは、AI Adoption Insights を立ち上げてリーダーや社員が Workday 上でツールの利用状況を可視化できるようにし、説明責任を促進したことです。これは CIO に不可欠な教訓を提供します。AI の活用と目標設定を社員が日常的に使用するツールやプロセスに組み込んで負担なく取り組めるようにすることで、導入の障壁を排除し、可視性を高めることができます。
3 つの柱を基盤とする人間中心の取り組みは、わずか 6 か月で具体的な成果を上げ、社員のエンパワーメントがもたらす価値を実証しました。現在の状況は以下のとおりです。
導入の急速な拡大: Workday 社員の 85% が 1 つ以上の AI ツールを導入しています。これはベースラインを 45% 上回っています。
マインドセットの変化: (個人的に最も嬉しいデータです) AI 導入者は、明確なキャリアパスが見えている割合が 13% 高く、企業戦略との連動性を感じている割合も 15% 高くなっています。
ポジティブな反響: AI 活用のサポート体制に対する社員の評価は 8.5、AI ツールがもたらす価値への評価は 8.4 (いずれも 10 点満点中) です。
最も重要なことは、当社の事業優先事項である人財の可能性やビジネス戦略と AI 導入との間に直接的なつながりが見られたことです。
私たちは AI 導入を明確な優先事項にすることで、この取り組みを実践に移しました。社員が自身の取り組みを成果につなげられるよう働きかけた結果、72% の社員が AI を活用して成果を上げる貢献目標を設定しました。
Workday の社員が自身の取り組みを成果につなげられるよう働きかけた結果、72% の社員が AI を活用して成果を上げる貢献目標を設定しました。
AI で節約した時間を人財が人間固有の高価値な活動にどう再投資しているか見ることで、成功度を最も明確に測定することができます。当社の最近のデータでは、AI で生産性が向上した結果、社員 1 人あたり 1 週間分の時間が還元されていることがわかりました。
たとえば、AI の活用頻度が高いグローバル営業チームのアカウント エグゼクティブは、プロスペクトやお客様とのやり取りに 1 週間あたり 1 時間多くの時間を費やしています。社内調査では、業務時間の 3 分の 1 以上を社外のやり取りに振り向けている営業担当者は、年間契約額が 2.1 倍高いことがわかっています。これは社員の業務キャパシティに変化が生じることで、有意義なビジネス成果が生まれることを示す好例です。
当社のエンタープライズ イネーブルメント担当ディレクター兼 EverydayAI プログラム リーダーを務める Garrett Gatlin は次のように的確に述べています。「私たちの目標は...AI を分かりやすく身近なものにし、誰もが利用しやすい実用的なツールにすることでした。単にツールをロールアウトするだけでなく、AI に対する自信と好奇心を高めたかったのです...これは、AI ファーストの未来を牽引する原動力である人財に投資するということなのです」
AI 革命の本質は極めて人間的です。この変革を通じてワークフォースを効果的に導くためには、人間と AI との間に強力な連携関係を構築する必要があります。
人財を中心に据え、テクノロジーだけを重視しない: まずは共感と信頼を構築し、社員の懸念を深く理解することから始めます。倫理的意思決定、感情的知能、コラボレーションなど、AI で置き換えることがほぼ不可能な人間固有のスキルの育成に焦点を当てます。イノベーションは、人と人とのつながりの中でこそ繁栄し、分断の中では衰退します。
能力開発を日常業務に組み込む: テクノロジーを活用し、学習を受動的なインタラクションから能動的なリアルタイム エクスペリエンスへと変換します。スキル開発の機会を業務の文脈に即してすぐに提供し、AI を社員のプロフェッショナルとしての成長を支えるバーチャル コーチに転換します。
明確さと目的を優先する: 明確な AI 戦略を定義して透明性の高い方法で周知し、AI 導入目標が社員のパフォーマンスやキャリアアップに直結するようにします。明確さを確保することで、曖昧さを軽減し、信頼を構築し、こうした仕組みの重要性をワークフォースに正しく理解してもらうことができます。
イノベーションは、人と人とのつながりの中でこそ繁栄し、分断の中では衰退します。
未来は人間と AI のゼロサム ゲームではありません。これは、テクノロジーによって私たちの能力を高めることで、人間が成長し進歩し続けるという、共生関係を構築できる機会なのです。人間中心の原則に基づいて取り組むことで、CIO と CLO は、自身の組織にかつてない生産性、イノベーション、充実感をもたらす未来を切り開くことができます。
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