4. 人事部のあるべき姿を実現するための方法
人事部のあるべき姿と、求められる役割、具体的な業務内容まで詳しくお伝えしてきました。
しかし社員数が多い企業の場合、管理する人の数や扱うデータが非常に多くなってしまうため、手作業で改革を進めようとすると早々に限界を迎えてしまうことでしょう。
そのため、一定以上の規模の企業が理想の組織・会社作りを実現していくためには、テクノロジーをうまく活用して経営戦略に沿った人財管理を行うことが最も重要となります。
「ITシステムなら既に使っている」という企業も多いと思いますが、「ただシステムを導入していれば良い」わけではないという点も考慮が必要なポイントです。
というのは、多くの企業は業務の種類ごとに異なるシステムを使用しているせいで、経営に役立つ充分なデータ活用ができていないというのが現状だからです。
そうすると、いくら「自社ならではの人事部のあるべき姿」や「理想の会社の未来像」を鮮明に思い描けていたとしても、スムーズに実現まで漕ぎつけるのは難しいでしょう。
そのためこれからの時代は、人財に関する社内のデータを統合的に管理することで、以下のような戦略的な人事業務を推進することが求められます。
- 最適な人員配置や昇格・昇進の実現
- 社員のパフォーマンス管理
- 効率的な人財育成
- 社員の能力や成長性の分析
- 人財のライフサイクルに応じた能力開発
- AI による離職予測
データに基づいた人事管理ができると、より組織の力を高めることができ、ひいては会社全体の目標達成に大きく貢献できるようになります。
実際に人事変革に成功している企業は、テクノロジーの力を活用することで人事改革を推進しています。
例えば、半導体製造装置、フラット パネル ディスプレイ (FPD) 製造装置の世界有数のサプライヤである「東京エレクトロン」では、グローバルで人事制度を統一したことにより、国別の人事評価を同一基準で確認しています。具体的には以下のような取り組みを行っています。
- 人事情報の共有を徹底的に効率化
- 今まで本社と異なるシステムを利用していたが、単一のシステムをすべての拠点で使用
- 人事評価の実施が容易で、社員の異動や成長を時系列で確認しやすいシステム面を整備
- 全ユーザーの作業効率を向上させる
- 社員は提供されているデータを使用して独自に分析・プロセスの改善が可能
- 煩雑な承認プロセスが簡素化
人事部に必要なデータの収集・分析・活用を徹底して効率化することで、グローバルで一貫した人財管理とエンゲージメントが可能になり、データ活用が組織に浸透、人事関連業務の生産性が向上する効果が生まれました。
東京エレクトロンの人事では今後も世界でトップを争う半導体製造装置メーカーであり続けるためには、グローバルでの人財の運用やエンゲージメントのさらなる向上が鍵で、人事部のデータの活用はグローバルでの統一と徹底した効率化が必要、と考えています。
人事システムを刷新すると同時に、人事制度を見直し、等級制度、評価制度、組織構成の改革を行っています。 等級や評価をグローバルで統一することで、国を越えた人財評価、人事異動がさらに実施しやすくなりました。
東京エレクトロン以外にも、日立やソニー、楽天、Sansanなどの有名企業も様々な取り組みを行っています。
人事変革が行き詰まる理由や、成果を実感できている企業との違いを把握し、全社員・全部門が自律的に変革と成長を推進できる組織づくりのヒントを得たい方は、このホワイトペーパーをぜひご覧ください。