ソフトウェアの常識を塗り替える
Workday の Aneel Bhusri と Joel Hellermark が、従来のソフトウェア モデルから脱却するために、リーダーが乗り越えるべき 3 つの重大な転換点について解説します。
Sydney Scott
AI 担当編集ストラテジスト
Workday
Workday の Aneel Bhusri と Joel Hellermark が、従来のソフトウェア モデルから脱却するために、リーダーが乗り越えるべき 3 つの重大な転換点について解説します。
Sydney Scott
AI 担当編集ストラテジスト
Workday
テクノロジー市場では創造的破壊が進行中であり、企業には AI 時代において、業務の進め方、意思決定の方法、そして成長のあり方を再構築する好機が訪れています。「この機会を上手く利用できた企業は、テクノロジーの世代交代を乗り越え、働き方の新たな時代を切り拓くことができます」と、Workday の共同創業者および最高経営責任者である Aneel Bhusri は、5 月 21 日にニューヨーク公共図書館で行われたイベントで聴衆に向けて語りました。
「私たちが『変革される側』ではなく『変革を起こす側』になるチャンスがここにあると思います」と Bhusri は続けました。
Bhusri は、Sana の創業者であり、Workday に新たに就任した最高 AI 幹部である Joel Hellermark と共に、Sana AI 年次サミットに登壇しました。両氏は、いわゆる「SaaS の終焉」に対する市場の根強い懸念と、AI が自社および他社にもたらすものについて語りました。
Workday は、テクノロジーによる創造的破壊の中で誕生しました。Bhusri と共同創業者である Dave Duffield は、2005 年に、クラウド向けの使いやすいエンタープライズ ソフトウェアを開発する好機を見出しました。現在、さらに大きな創造的破壊の中で、多くのベンダーはレガシー ツールに小手先のアップグレードを施すことで、必死に守勢に回っています。
Bhusri は、テクノロジーの世代的転換を乗り越えるには、はるかに積極的なアプローチが不可欠だと述べました。さらに Hellermark との対談の中で、企業が市場の変革者となるか取り残されるかの方向を左右する、3 つの戦略を提示しました。
「ソフトウェアは今、根本的に新たな時代を迎えています。私たちはもはや、ソフトウェアを販売しているわけではありません。私たちが売るのは、業務そのものです。」
—Joel Hellermark、Workday 最高 AI 幹部
レポート
市場が急速に変化すれば、業界全体に不安が広がるのも当然のことです。そのような環境下では、安全策は負けの戦略です。
ソフトウェアの分野において、異なるアプリケーション間で静的なタスクを単に接続させるだけの従来のプラットフォームは、存続の危機に直面しています。確率論的 AI は、厳格なルールに従うのではなく、パターンを推測することで機能します。そのため驚異的な推論エンジンとなる一方、単独ではルールベースのビジネス タスクにはリスクが高すぎます。
例えば、企業は給与計算を 95% の精度でこなすわけにはいきません。誰が支払われて誰が支払われなかったかを推測することなど許されないのです。主要な財務業務や決算業務は、正確でなければなりません。それも、毎回必ず 100% 正確でなければならないのです。
しかし、真の価値は、AI と決定論的ソフトウェアの融合にあります。つまり、エラーの余地がまったくなく、厳密なルールに従うよう設計されたシステムです。大きな技術的転換期においてチャンスを掴むには、Workday はスタートアップ時代の原点に立ち返り、社員のあらゆる体験を根本から見直す必要があります。
「私たちが共に成し遂げられることを考えると、業界で起きていることに関してはあらゆる前提が覆ると思います」と Bhusri は述べ、Hellermark の Sana と Workday のコア ビジネス機能における深いインテグレーションの組み合わせに言及しました。
「それが、当社が Workday とパートナーとなり、Workday の一員となった主な理由でもあります」と Hellermark は語りました。「無難な道を選んだのではありません。ソフトウェアは今、根本的に新たな時代を迎えています。私たちはもはや、ソフトウェアを販売しているわけではありません。私たちが売るのは、業務そのものです。」
Bhusri は次のように語りました。「これは私たちにとって、まさに羽ばたくチャンスだと思います」。
「私たちが『変革される側』ではなく『変革を起こす側』になるチャンスがここにあると思います」
Aneel Bhusri、Workday 共同創業者および最高経営責任者
テクノロジーは急速に進化し、ソフトウェア企業は従来の枠組みにとどまっている余裕はありません。かつてビジネス ソフトウェアの種別を隔てていた明確な境界線は今、Hellermark の言葉を借りれば「曖昧」になりつつあります。それによって、より大きな視野で物事を考える機会が生まれます。
ソフトウェア市場は巨大ですが、Hellermark が着目しているのは、それよりもさらに巨大な市場、すなわち労働力市場です。より多くの多様な業務をより高い自律性をもって処理できるエージェントを構築することは、Workday にとって重要な成長機会です。
AI による生産性の向上により、Workday はこれまで関与していなかった出張管理などの人事部門のワークフローを連携させられるようになりました。そこで Bhusri は、Hellermark との会話の中でこう切り出しました。「やらない理由はないでしょう?」
これは一朝一夕には実現しません。こうした従来のソフトウェアの枠組みを超えて事業を拡大するためには、実証済みの成長モデルに基づいて展開を進める必要があります。Bhusri は次のように説明しました。「中小・中堅市場から始まり、機能を追加しながら上位市場へと展開していきます」。
「これは自動運転車と少し似ていると思います」と Hellermark は補足しました。自動運転のテクノロジーはすでに存在していましたが、人間が後部座席に乗る完全自動運転車への移行には長い時間がかかりました。そのテクノロジーが信頼できるものであることを確かめる必要があったからです。「当時は人間の関与が不可欠でした」と Hellermark は続けました。「だからこそ、多くの人間が自動運転システムを監視・監督する役割を担っているのです」。
同様に、Workday は、信頼できる業務の世界モデルを構築しています。エージェントが自律性を高めていく過程で活用されるナレッジ グラフです。
このネットワークの構築は、業務におけるテクノロジーの価値に対する私たちの考え方を変えるものです。テクノロジーは、人々を受け身的に支援するツールを提供するだけでなく、人間とデジタル エージェントが協働しながら実際の業務を完遂できるよう支援するものへと変わります。
ツールとエージェントの境界線が曖昧になるこのネットワークが実際にどう機能するかを説明するため、Hellermark は IT サポートを典型的な例として挙げました。
このモデルでは、個々のタスクがコア ネットワークに接続されると、IT 環境のセットアップなどの関連ワークフローが自動的に移行処理を行います。
安定した旧世代のテクノロジーを管理するには特定のノウハウが必要ですが、まったく新しい AI エコシステムを構築するには、スタートアップならではの柔軟な発想が求められます。
この変革期を乗り切るには、これまでとは全く異なるリーダーシップが必要となります。安定した旧世代のテクノロジーを管理するには特定のノウハウが必要ですが、まったく新しい AI エコシステムを構築するには、過去を恐れずに覆し、完全に再構築する、スタートアップならではの柔軟な発想が求められます。
Workday にとって、それは複雑なユーザー エクスペリエンスの改善を意味します。自動化の進展は、ユーザーと機械の関わり方を根本から見直す絶好の機会をもたらします。
「ユーザー エクスペリエンスは変化しつつありますね。AI が新しい UI (ユーザー インターフェイス) であるという話は以前にもしました」と Hellermark は話しました。「今日のデモでもお分かりいただけたと思いますが、私は数十もの異なるエンタープライズ アプリケーションを切り替えて操作していたわけではありません。すべてをひとつのインターフェイスで連携して管理していました。そこでは、何千ものエージェントの業務状況を把握し、必要に応じて私にエスカレーションされる仕組みになっています。今こそ、ユーザー エクスペリエンスを再考する絶好の機会だと考えています」。
Bhusri も同意しました。30 年後には、ユーザーは Workday をまったく新しい方法で利用できるようになるでしょう。そして、Sana がその足がかりになるはずです。
企業ソフトウェアの市場は、根本的な変革の真っ只中にあります。レガシー大手企業も、急成長中のスタートアップも、まったく同じ選択を迫られています。今すぐ自らのビジネスモデルを積極的に破壊するか、市場に破壊されるのを待つか、そのどちらかです。
結局のところ、テクノロジーの変革には、どのように企業がワークフローを構築し、さまざまなテクノロジーを融合させ、人をサポートするかという根本的な見直しが必要となります。かつての境界線はもはや意味をなさず、適応できない企業にとっては、すでに時間との戦いが始まっています。
「これは、Workday と Sana が一体となり、1+1 が 3 や 4 や 5 をはるかに超える結果をもたらすストーリーです」と Bhusri は語りました。「私たちは、ビジネスや業務のあり方を再定義していきます」。
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