変化する組織モデルと AI 時代における新しい役割
あらゆる業界において、人間と AI のコラボレーションが業務の中心になる新しい役割が生まれています。
Michael Brenner
ソート リーダーシップおよびカスタマー アドボカシー担当バイス プレジデント
Workday
あらゆる業界において、人間と AI のコラボレーションが業務の中心になる新しい役割が生まれています。
Michael Brenner
ソート リーダーシップおよびカスタマー アドボカシー担当バイス プレジデント
Workday
Walmart、Workday、KPMG、Salesforce など、さまざまな業種の企業において、プロンプト エンジニア、導入ストラテジスト、AI 倫理スペシャリストといった新世代の職種が次々に誕生しています。
これは SF の世界の話ではありません。現在は、多くの企業が AI を活用して業務の進め方を見直していますが、それに伴ってこうした大きな変化が起きているのです。
しかし、本当に重要なのは「新しい業務が生まれているために組織モデルが変化している」ということです。
業界を問わず、82% の企業が「AI エージェントの活用を拡大している」と回答しています。しかし、Workday の調査では、社員の 10 人中 7 人が、「AI の最大の可能性は業務の自動化にあるのではなく、それらの業務から解放され、コラボレーション、問題解決、新しい価値の創出など、人間らしい業務に注力できるようになること」と回答しています。
現在は、人間と AI がコラボレーションする時代です。自動化が進めば進むほど、私たちは人と人とのつながりをより強く求めるようになります。これから最も高い価値を持つ新しい役割は、人間と AI をつなぐ役割です。これは、「自動化」から「人間の能力の拡張」へ、「制御」から「人と人とのつながり」へと向かう根本的な転換を示しています。
業界を問わず、82% の企業が「AI エージェントの活用を拡大している」と回答しています。
レポート
現在の AI は単に進化を続けているだけでなく、「エージェント」としての能力も高くなっています。この場合の「エージェント」とは、一定の自律性を持ち、自らの判断で行動して目的を達成する AI のことを指します。
しかし、すべてのエージェントが完全に単独で行動するわけではありません。人間と共に行動をするエージェントもあります。エージェントは、計画を作成して実施するだけでなく、時間の経過とともに結果を改善することもできます。しかし、人間が適切に管理した場合に、エージェントはその能力を最大限に発揮します。
企業がこの変化に対応するには、新しい役割とスキルが必要になります。。最近では、「人間と AI のインタラクション デザイナー」「AI セーフティ エンジニア」「AI アーティスト」などの役割を求人情報で目にするようになりましたが、これらの役割は、人間の創造力と AI の能力を結び付けるための架け橋のような存在になりつつあります。これらの役割は、AI との関わり方のルールを策定します。これにより、人間の意図に従って AI が動作するようになります。
「人間と AI がコラボレーションする時代」とは、人間と AI システムがひとつの適応型ワークフォースとして協働していく時代を意味します。だからといって、人間の価値が低下するわけではありません。むしろ、人間の能力を高めることにつながります。
この新しいモデルでは、目標設定、監視、戦略と価値観との整合性確保などを通じて人間が使命を定義し、AI エージェントが大規模な処理を実行します。これまで人間が多くの労力をかけて処理していたプロセス、データ、ワークフローが、AI エージェントによって統合されます。
ここで最も重要なのは、これを適切に実行できる企業は、単に業務効率が向上するだけでなく、よりスマートな方法で業務を処理できるようになるということです。人間の能力をさらに高めるように AI を設計することにより、AI の真の可能性を引き出すことができます。このビジョンは、新しい役割、新しいスキル、新しい組織モデルを通じて実現しつつあります。
新しい役割が次々に生まれているという事実は、新しいスキルが非常に重要なものになっていることを示しています。AI の時代において最も重要なスキルは、技術的なスキルではなく人間的なスキルです。
Workday がこの 1 年間に実施したすべての調査から、明確に浮かび上がってくるひとつの傾向があります。それは、AI の活用で成果を上げている企業は、技術力だけでなく人財育成にも投資しているということです。
現在、業界を問わず最も急速に重要度が高まっているスキル グループを以下に示します。
Workday のワークフォース レポートでは、多くの社員が行き詰まりを感じ、昇進の機会が減少して人財の流動性も低下しているという結果になっています。多くの企業が、社員を支援するための体制を構築できておらず、こうした状況によるリスクを最小限に抑える準備もできていません。
この状況を打破した企業には、ひとつの共通点があります。それは、スキルを固定的なものではなく常に変化するものとして捉えているということです。こうした企業は、スキルの可視化、学習への適応力、業務内容の変化に合わせた社内キャリア パスへの投資を行っています。
ここで指摘しておきたいのは、仕事の未来において最も重要なスキルはレジリエンスなのではないかということです。Workday の調査結果も、これを裏付けています。
Workday のすべての調査において、創造力は今後 10 年間で最も価値の高いスキルのひとつとして挙げられています。
AI を活用すれば迅速にアイデアを出すことができますが、何が可能なのかを想像できるのは人間だけです。
成果を上げるには、好奇心を評価して挑戦を支援し、継続的な実験精神を促進する企業文化を育成することが重要です。
Workday がダボスで実施した調査では、多くの社員が「AI の最大のメリットは、AI を活用して節約した時間を、コラボレーション、問題解決、新しい価値の創造にあてられること」と回答しています。
これは、タスク ワークからチーム ワークへの移行です。これからのチームにとって重要なのは、互いに協力して成果を上げることです。
それと同時に、AI との共創における可能性を最大限に引き出す人間の存在も重要になります。
AI の自律性が高まるにつれ、リーダーが負う責任も大きくなります。AI は提案することはできますが、最終的な判断を行うのは人間です。
だからこそ、これからのリーダーには、リスク評価スキル、誠実さ、透明性の高い意思決定、そして倫理的な判断根拠を自ら示し、周囲に伝える能力が求められるのです。
どんなアルゴリズムも、相手の信頼を得ることはできません。どんな AI エージェントも、人間関係の対立を解決することはできません。どんなモデルも、企業文化を強化することはできません。
AI の規模が拡大すると、共感、明確さ、目的意識、人と人とのつながりなど、「人間的な」リーダーシップが真の差別化要因になります。これらは「ソフト スキル」ではなく、新しいワークフォースの基盤となる「オペレーティング システム」です。
私はこうした理由から、私のチーム メンバーに向けて「これからの働き方をどう考えるべきか」を説明するために以下のガイドを作成しました。
私の目標は、高い成果を上げるためのスキルだけではなく、これから目指すチーム像を実現するためのスキルについて、明確な指針を示すことです。
人間の能力をさらに高めるように AI を設計することにより、AI の真の可能性を引き出すことができます。
AI により、業務の進め方が大きく変化していますが、業務に意味を与えるのはリーダーの責任です。
未来を形作るのは、目的意識を持って新しい働き方を設計するリーダーです。リーダーは、AI のメリットを効果的に活用しながら人財にも投資する仕組みを設計する必要があります。
リーダーは、社員が AI との協働を成功させるために必要なスキルを身につけられるよう支援するとともに、構築したい組織のあり方や、開発する製品について、強い意志を持った意思決定を行う必要があります。
仕事の未来を担うリーダーの役割は、単に AI の導入を支援することだけではありません。人財、チーム、テクノロジーを組み合わせて成長を促進する方法を再定義することも、こうしたリーダーの役割です。最終的な目標は、すべてのタスクを自動化することではなく、社員が働きやすい仕組みを設計することです。
今後の数年間で高い成果を上げるのは、多くの AI を導入する企業ではなく、社員を中心として慎重に AI 環境を再設計し、信頼、コラボレーション、人と人とのつながりを基盤とした AI 環境を構築する企業です。
レポート