契約管理 AI で法務チームとビジネス チームを強化した NetApp 社

多くの企業と同様、NetApp 社は契約データからインサイトを迅速・効率的に引き出すことに苦慮していました。プロジェクトが発生した場合は、法務管理を法務サービス プロバイダに委託する必要がありました。チームは手作業によるソリューションやプロセスを使用しており、ビジネスニーズに応じて契約データを活用することができなかったのです。チームはプロジェクトを開始する際に特定の目標を設定しますが、ソリューションの定義中に新たな情報が明らかになった場合、方針が転換されてプロセスが複雑化します。目的の成果を達成するため、チームは絶えずプロセスを調整しなければなりませんでした。広範なレビューを行っている間に新たな情報が明らかになるたび、チームはゼロからのやり直しを余儀なくされました。

きっかけは新型コロナウイルス

NetApp 社の法務部門は、新型コロナウイルスによって生じたサプライチェーンの混乱に対応するため、AI の活用という新たな問題に直面しました。新型コロナウイルスの影響で、NetApp 社は供給ボトルネックの問題に直面しました。同社は分割配送を容認する顧客や、配送に対応する各国の主要サプライヤを把握する必要に迫られました。契約管理面での問題は、契約書に「分割配送」という重要な用語がタグ付けされていないことでした。今後起こりうるさまざまな不測の事態に対応するため、NetApp 社は数万件に及ぶ契約書をレビューする必要がありました。レビューを行わない場合、訴訟、顧客の不満、ひいては収益の低下を招く恐れがありました。

法務データを収益源に変える

Evisort AI が搭載された Workday 契約インテリジェンスを導入した NetApp 社は、AI ドリブンなテキスト マイニング機能を使用することにより、「Google のような」形式ですべての契約書を検索し、目的の条項をすばやく特定し、分割配送の請求書を発行しました。これは顧客満足度の維持につながりました。NetApp 社の法務チームは Workday プラットフォームで 1 週間以内に AI ツールをトレーニングし、リポジトリ全体に含まれる分割配送条項を検索しました。その結果、数日間で契約書を 24,000 件から 600 件に絞り込み、これらの契約書に 90 パターンの異なる表記で分割配送条項が記載されていることを特定しました。

法律、テクノロジー、オペレーション担当バイス プレジデントは次のように述べています。「分割配送条項を検索する際、当社は特定の用語セットを検索していたつもりでしたが、一部の顧客は分割配送について予想外の形で規定している場合があることに気づきました。多くの情報が凝縮されている法的契約書には、思いがけない場所に関連語句や重要な条項が含まれている場合があります。AI はこのようなテキストを適切に検出します」有効期限と分割配送の関連語句を組み合わせることで、部門横断的なチームは 90 日以内に更新日を迎える契約書の絞り込みを行い、再交渉が難しい条件が含まれる契約書の対応を優先させることができました。

マインドセットの転換を促進する

いかなるテクノロジーを導入する場合も、最も困難を伴うのがチェンジ マネジメントです。しかし資金や人手を必要とせずに考え得るあらゆる条項を検索できることが理解されれば、チェンジ マネジメントは自ずと加速します。法律、テクノロジー、オペレーション担当バイス プレジデントは次のように述べています。「このテクノロジーは極めて直感的に使用できるため、極めて迅速かつ容易にマインドセットを転換できます」新型コロナウイルスの発生以降、NetApp 社は 90,000 件以上の契約を分析し、組織変更、M&A 後の統合、データ プライバシー分析など、いくつかのプロジェクトに取り組んでいます。Netapp 社は契約データを抽出する最新 AI や自動化されたワークフロー テクノロジーを活用することで、多数の重要な取り組みに費やしていた時間を数千時間短縮し、数百万ドルのコストを節約しています。