企業における AI エージェント: 働き方はどう変わるか?
AI エージェントとは何か、職場にどのような影響を及ぼすのかを、Workday の AI 担当バイス プレジデントを務める Kathy Pham が解説します。リーダーに役立つ実践的な指針も紹介します。
Kathy Pham
人工知能担当バイス プレジデント
Workday
AI エージェントとは何か、職場にどのような影響を及ぼすのかを、Workday の AI 担当バイス プレジデントを務める Kathy Pham が解説します。リーダーに役立つ実践的な指針も紹介します。
Kathy Pham
人工知能担当バイス プレジデント
Workday
AI システムの学習能力、記憶力、自律的対応力がタスクを完了するために向上するにつれ、AI システムで強化できる組織の業務範囲は拡大します。特に個人の役割や業務に対する理解を深め、エクスペリエンスを適切にパーソナライズできるようになります。
当社が実施したグローバル調査によると、AI に詳しい専門家の 83% は AI が人間の能力を強化し、生産性を高め、新たな形式の経済価値を生み出すと考えています。つまり、仕事の未来は AI を使用して人間の可能性をいかに高めるかにかかっていると認識されているのです。
最も画期的な動きの 1 つは、一般的に AI エージェントと呼ばれているエージェント型 AI の進化です。この記事では、AI エージェントとは何か、AI エージェントによって仕事の未来はどう変わるか、リーダーは AI エージェントを組織でどう活用すべきかについて掘り下げていきます。
まずは AI エージェントの定義を見ていきましょう。AI エージェントとは、周囲の環境を詳細に認識し、情報を処理して次のステップを導き出し、そのステップを実行して特定の目標を達成するシステムを意味します。経験を通じて学習し、学習内容を記憶することにより、応答を改善していくことができます。
このテクノロジーはデータ分析や予測を行うだけでなく、タスクを自律的に実行します。そのため、エージェントと人財を連携させることにより、複雑なプロセスも処理できるようになります。企業はユーザーのニーズを予測することも、先を見据えてタスクを完了することも可能になります。
企業はシンプルかつパーソナライズされたエクスペリエンスをエンタープライズ システムのユーザーに提供することもできます。複雑なプロセスの分解、コンテキスト分析、タスク調整を AI エージェントがバックグラウンドで実行し、難しいビジネス問題を解消するからです。このようなレベルのパーソナライゼーションは前代未聞です。ユーザーの専門知識や組織固有のニーズに合わせてエクスペリエンスをカスタマイズできます。これらの機能を活用することにより、私たちはこれまで不可能だったソリューションも開発できるようになります。
当社が実施したグローバル調査によると、AI に詳しい専門家の 83% は AI が人間の能力を強化し、生産性を高め、新たな形式の経済価値を生み出すと考えています。
ガイド
顧客サービスからサプライチェーン マネジメント、人事部門、財務部門に至るまで、AI エージェントはあらゆるものに影響を及ぼします。重要なことは、AI エージェントの可能性を理解し、AI エージェントの導入に向けて戦略的ロードマップを策定することです。
AI エージェントを使用して一般的なビジネス課題に対処する方法をいくつかご紹介します。
AI エージェントを適切に導入するためには、入念なプランニング・実行が必要になります。留意すべき考慮事項をいくつかご紹介します。
これらの点を留意することにより、企業は責任を持って倫理的に導入を行い、AI エージェントを適切に使用することができます。
顧客サービスからサプライチェーン マネジメント、人事部門、財務部門に至るまで、AI エージェントはあらゆるものに影響を及ぼします。
さまざまなタイプの AI エージェントを紹介する前に、AI エージェントとその他の大規模言語モデル (LLM) との違いを見てみましょう。AI エージェントの進化は、近年急速に進歩している LLM に後押しされています。基本的なチャットボットから AI アシスタント、コパイロット、最先端の AI エージェントに至るまで、LLM はより洗練された AI 機能を生み出す基盤を築いてきました。
1960 年代に開発された AI エージェントの機能は多岐にわたります。さまざまなタイプのエージェントを理解することで、特定のビジネス課題を解決する際にエージェントをどのように組み込めばよいのか判断できます。以下にエージェントのタイプをいくつかご紹介します。
反応型エージェント: 最もシンプルなタイプの AI エージェントです。事前定義されたルール セットに従って動作します。ルールに基づいて特定の状況に反応しますが、時間の経過とともに学習・適応することはしません。よくある質問に対して事前設定された回答を提供するチャットボットがこのタイプに該当します。
モデルベース エージェント: このエージェントは自身の環境の「モデル」を備えており、自身のアクションがもたらす結果を予測し、より多くの情報に基づいて意思決定を行います。たとえば小売業界は、モデルベース エージェントを使用することにより、過去の販売データや現在の市場トレンドに基づいて今後の製品需要を予測できます。
目標ベース エージェント: このエージェントは特定の目標に基づいて動作します。複数ステップの実行が必要な場合や、状況の変化への適応が必要な場合を含め、アクションを計画・実行し、目標を達成します。たとえば目標ベース エージェントを使用することにより、戦略をリアルタイムに調整してコンバージョン率を最大化し、マーケティング キャンペーンを最適化できます。
効用ベース エージェント: このエージェントは単に目標を達成するだけでなく、特定の「効用関数」を最大化することを目的とします。効用関数は、顧客満足度、コスト効率など、測定可能な成果を表します。たとえばヘルスケア業界は、効用ベース エージェントを使用することにより、患者の容体を最適化しつつ、コストを最小限に抑える治療プランを作成できます。
学習エージェント: このエージェントは最も高度なタイプです。時間の経過とともに学習・適応することができます。機械学習アルゴリズムを使用してデータを分析し、パターンを特定し、パフォーマンスを改善します。たとえば学習エージェントを使用すると、パーソナライズされた提案を顧客に提示することができます。提案はユーザーのフィードバックや行動に基づいて継続的に改善されます。
協業型エージェント: このエージェントは他のエージェントと連携して共通の目標を達成します。相互にコミュニケーションを取りながら自身のアクションを調整し、複雑な問題を解決します。たとえば協調型エージェントを使用すると、都市交通流を最適化できます。各エージェントはそれぞれ特定の交差点を制御し、近隣のエージェントとコミュニケーションを取りながら渋滞を最小化します。
タスク ベース エージェント: このエージェントは通常、限定的な機能を備えており、特定のタスクを実行するように設計されています。反復作業や複雑な作業を自動化し、人間が他の業務に注力できるようにします。タスク ベース エージェントは、請求書の処理、予約のスケジューリング、大規模データセットの分析に使用されます。
ロール ベース エージェント: このエージェントはロールの複雑さを理解し、特定のタスクや責任を担うことで、人間を支援するように設計されています。たとえば営業担当者向けのエージェントは、データ入力を自動化し、会議スケジュールを設定し、顧客に関するインサイトを提供するため、営業担当者は顧客との関係構築や取引の成約に専念できます。
Workday は社内で AI エージェントの力をすでに活用しています。たとえば当社の経費エージェントは、社員が領収書の写真を撮影すると、AI で関連情報を自動的に抽出し、経費明細行を作成し、適切なレポートに追加します。これによりデータの手入力が不要になるため、エラーが削減し、社員の貴重な時間が節約されます。
さらに当社では後継者育成プランニング エージェントを活用しています。このエージェントは社員のデータ、スキル、パフォーマンスを分析し、未来のリーダー職を担うのにふさわしい候補者を特定します。パーソナライズされた能力開発プランを生成し、このような候補者が昇進に向けて準備できるよう支援することもできます。
また、当社のリクルーター エージェントは、候補者のソーシング、アウトリーチの自動化、優秀な人財の提案を行い、従来の手法を超えた採用を実現します。これにより、採用プロセスが効率化し、補充までの期間が短縮され、採用の質が向上します。
これらは AI エージェントが職場に違いを生み出すことを示すほんの一例にすぎません。このテクノロジーが進化し続ける中、さらに革新的な活用方法が生み出され、生産性と効率性が新たなレベルに引き上げられることが期待されます。
AI エージェントの効果を真に最大化するためには、AI エージェントを構築・管理する方法を検討する必要があります。そのためには入念なアプローチを採用し、技術面だけでなく、人間への影響を配慮する必要があります。
最初にやるべきことは、AI エージェントで対処する問題やユーザーのニーズについて的確に把握することです。人間中心の設計や倫理的配慮を優先することにより、ワークフローとシームレスに連携し、社員のパフォーマンスを最大限に引き出す AI エージェントを構築することができます。これらのエージェントは、私たちの業務を補完するデジタル ワーカー グループの新しい一員となります。
AI エージェントの構築は最初の一歩に過ぎません。組織が AI エージェントの可能性を引き出すためには、これらのデジタル ワーカーを管理、モニタリング、制御できる強固なシステムが必要になります。このニーズを解決するのがエージェント型システム オブ レコードです。このシステムは、AI エージェントの導入を責任を持って安全かつ効率的に行うために必要なインフラを提供します。
AI はユーザー エクスペリエンスの常識を変えているだけでなく、人間と機械の関係を抜本的に変えています。将来的には、人財の役割やタスクを責任を持って理解する AI エージェントも構築されるようになります。つまり AI エージェントは人間が使用するシステムの微細なニュアンスを特定し、予測して次のステップを導き出し、アクションを実行して人間の目標を達成するようになります。Workday はこのような AI エージェントの構築に全力を尽くしており、デジタル ワーカーと連携して働く未来を目指しています。
最高経営責任者 (CEO) の 98% は、AI の導入がビジネスに即時的なメリットをもたらすと述べています。このレポートでは、2,355 人のグローバル リーダーから得たインサイトに基づき、AI が組織にもたらすメリットについて紹介しています。
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