大容量のデジタル ファイルを可能な限りシンプルな方法で共有可能にすることを目指して設立された WeTransfer 社は、世界的に有名なコンテンツ コラボレーション/配信プラットフォームへと成長を遂げました。同社は現在、ニューヨーク、ロンドン、パリにオフィスを構え、社員数は 400 名、毎月のアクティブ ユーザー数は 8,000 万人を超え、190 か国でグローバルに事業を展開しています。
このような成功は、同社のコア製品のシンプルさや信頼性に加えて、価値ドリブンなアプローチに基づいて責任あるテクノロジーやビジネスを提供していることに起因します。B コーポレーション認証を取得した同社は、利益、地球、人財のバランスが最高水準にある企業として確固たる実績を築いています。
WeTransfer 社は多くのスケールアップ企業と同様、成長に合わせて多数の SaaS サブスクリプションを部門間や部門内に導入しました。このような複雑なアーキテクチャを統合・開発できる余地は限られているため、フラストレーション、不整合、非効率性といった課題が生じることは回避できません。
特に拡張性が欠如していることが懸念事項でした。効率性を改善し、継続的な成長を目指す同社の目標を確実に達成するには、柔軟な単一システムを確保することが不可欠になっていました。
ISO 認証プロセスに取り組む上で API に適用するセキュリティ基準といったコンプライアンス要件を考慮した結果、レガシー テクノロジーから先進的かつ動的なシステムへの移行はさらに加速しました。ソリューション候補を詳細に評価した後、同社の情報セキュリティ チームは Workday が同社のセキュリティ要件を満たしていると確信しました。
単一のシステムで非効率性や不整合の課題を克服
WeTransfer 社の人事部門のみで 7 つ以上のレガシー ツールが個別に存在し、HRIS、経費管理、OKR 追跡といった幅広いタスクに使用されていました。これらのツールは連携されておらず、給与計算や財務との関連付けも行われていません。その結果、大量の手入力や重複作業が発生しただけでなく、機密性の高い情報が共有ドライブや E メールで共有されていました。
単一のシステムである Workday の導入により、異なるチーム/部門間のコラボレーションは大幅に改善されました。3 つのレガシー ツールが置き換えられたほか、現在はリクルーティング プラットフォームが Workday に統合され、続いて出張管理ツールが統合される予定になっています。また、WeTransfer 社は人事部門の業務を合理化することで、ISO セキュリティ要件にも完全に準拠することができました。
Workday が提供する唯一の正しい情報源を使用し、あらゆる人財データを可視化することで、不整合や矛盾が生じるリスクを排除し、雇用関連のデータを共有できるようになりました。
WeTransfer 社、エンタープライズ IT 担当シニア ディレクター、Katia Malashyna-de Jong 氏
ワークフロー コラボレーションをすばやくシームレスに実現
企業の社内プロセスのほとんどは、さまざまなチームやビジネス ステークホルダーが直接関与しなければ効果的に完了できません。WeTransfer 社も同様です。たとえば、オン/オフボーディング フローには、人事チーム、IT チーム、ユーザー エクスペリエンス チームが関与し、ポリシーが適用されない経費のレポーティングには、財務チーム、人事チーム、リーダーシップ チームが関与します。B コーポレーション レポーティング向けのデータを収集する場合も同様です。
Workday の導入により、WeTransfer 社はこのようなプロセスをシンプル化しただけでなく、コラボレーションを全社規模で適切にサポートできるようになりました。たとえば現在、社員に提供される会社所有のアセットの追跡は Workday によってすべて処理されています。
オフボーディング プロセス中、社員は会社から提供された機器を購入することがよくあります。人事部門は従来、IT チームに状況を説明した後、財務チームに残存価値を確認し、最後の給与支払いから差し引く金額を給与計算チームに指示する必要がありました。このプロセスは煩雑で時間がかかりました。しかし現在は誰もが追跡モジュールにアクセスし、同一データを 1 か所から確認することができます。プロセスは完全に自動化され、すべての関連情報の詳細や部門間の緊密なコラボレーションは、ひとつのスクリーンショット内ですばやく確認できます。
経費レポート システムも Workday によって大きく改善されました。レガシー アーキテクチャでは、人事システムとは別に 3 つのシステムを使用して処理が行われていました。データの生成だけで手間がかかるだけでなく、財務チームは届いたデータを再度照合調整する必要がありました。誰もが同じツールを使用することで、プロセスが容易になり、時間が大幅に短縮されました。
慣習を克服し、確立されたプロセスを刷新・改善
WeTransfer 社でエンタープライズ IT 担当シニア ディレクターを務める Katia Malashyna-de Jong 氏は次のように述べています。「Workday の大きなメリットは、当社のビジネスと連動して発展・進化することです。私たちはシステムの導入に成功しましたが、これですべてが終わったわけではなく、新たな働き方が始まっただけに過ぎません。そのため、当社はデプロイメントを監督する意欲的な専任チームを設置しています。このチームは現在、モニタリングを通じて調整が必要な領域を特定し、システムが常にビジネスニーズに対応するようにしています」
重要なことは、WeTransfer 社が Workday の導入プログラムの一環として新たな手法を受け入れ、多様なビジネスプロセスを採用した点です。これは非常に優れた事例です。さらなる効率化を達成できる余地を明らかにしただけでなく、新たな手法を採用することで有効性が高まることを強力に裏付けます。
使い慣れたプロセスの有効性を自問することで、自己満足や誤った考えに陥るリスクを回避し、Workday を導入して効率性をより高めることができました。
WeTransfer 社、エンタープライズ IT 担当シニア ディレクター、Katia Malashyna-de Jong 氏