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CEOの6つの課題と強い会社の創りかた

 

これは、Workday のブログに Workday スタッフ ライター が英語で投稿した記事です。 日本の読者の皆様も興味を持たれることと思い、この記事を翻訳しました。

 

「会社をどう経営していくか」

これこそCEOが毎年頭を悩ませた末に優先事項を決めなければならない大問題です。これに従って他のエグゼクティブも自分たちの仕事を進めるわけですから。責任が重く圧し掛かる決定であるが故に、自分だけでなく他社のCEOが一体何に最も関心を寄せているのかはどのCEOも気になるところです。そこで、業界屈指のコンサルティング会社による最近のCEO調査から判明したCEOの「6つの課題」と、それらへの取り組み方を以下で解説します。

多くのCEOが会社経営において最も優先順位が高いとランクを付けたのは以下の6項目です。

  • 成長分野を見つける
  • リスクをとる
  • 新規法制に対処する
  • テクノロジーを武器にする
  • イノベーションを追求する
  • 社員と会社の文化を大切にする

 

成長分野を見つける

ほとんどのCEOは会社の成長に高い優先順位を付けています。KPMGの調査では半数以上のCEOがコストの効率化よりも会社の成長を重要視しています。

それでは大きな成長を遂げている会社のCEOは、他のCEOと「成長」の捉え方についてどこが違うのでしょうか。この点、IBMの調査によると、大きな成長を遂げている会社のCEOは(1)新たなプロダクトやサービス、今までにないビジネスモデルの開発に積極的で、(2)顧客と親密で深い関係を構築することを望み、(3)長期戦略としてのイノベーションの追求に余念がなく、(4)グローバルに事業を拡大し、(5)自社サービスやプロダクトのエコシステムに顧客を取り込むことに熱心といった点で秀でており、新たな成長への道筋を常に模索していることに特徴が見られます。

また、スタートアップやベンチャーであっても自社単体での成長で満足するのではなく、M&Aのような外部を取り込むかたちでの成長戦略を採用しているケースも増えてきています。 KPMGによると、今後3年で自国以外からの収益が増えることを期待しているCEOの数は3分の2にのぼり、少なくとも1社以上の買収を検討しているCEOの数は半数近くになるようです。さらにIBMによるとこのような従来型の成長モデルに満足することなく、およそ3分の2のCEOが画期的で既存のものとまったく異なる成長のあり方を常に模索しているそうです。

 

リスクをとる

現状維持に甘んじるのは危険だとCEOの多くは考えており、もっと積極的にリスクを取るべきだと信じています。実際、KPMGの調査ではCEOの3分の1は自分たちが成長に向けてまだまだ十分なリスクを取っていないと考えています。

既存のライバルだけではありません。勢いのある新規参入者までも相手にしなければならないため、新しいプロダクト、サービス、展開地域などに素早く対応し積極的にリスクを取っていく必要があるのです。このような現在のビジネス環境においては多くの場面で「変化を恐れてじっとしているのは、リスクを取って変化に飛び込むよりも危ない」と言うことができるでしょう。

 

新規法制に対処する

KPMGによると、日本では法人税率や環境規制、財務報告に関わる「規制が変更されることによる成長の抑止」は「競合にビジネスを奪われる可能性」に次いでCEOの懸念事項となっています(グローバル調査でも「規制の変更」は、「経済成長の鈍化」と同様に優先順位の高い重大な関心事に挙げられています)。また、IBMの調査において規制は会社外の懸念材料の第3位に挙げられている一方で、PwCの調査では過剰な規制についてCEOの79%が関心を持っており、世界的には今後様々な規制が厳格化するだろうと悲観的な見方がされています。

 

テクノロジーを武器にする

IBMの調査からはテクノロジーがあらゆる産業において今後も決定的な差別化要因になるだろうとCEOたちが注目を払っていることが分かります。具体的な分野としては、モバイル、ソーシャル、クラウドが引き合いに出されています。

ところで、テクノロジーにも様々なテクノロジーがあります。KPMGのグローバル調査では「会社が直面している重大な問題は何か?」と言う質問に対して「ディスラプティブ(破壊的)なテクノロジー」が第3位に挙げられています。また同社の日本での調査では「イノベーションの促進」が同順位に挙げられています。これらから、ライバル企業が既存のビジネスモデルを破壊する新しいテクノロジーを生み出すのではないかとの懸念を多くのCEOが抱いており、その懸念から自分たちもイノベーションを強く志向していかなければならないとの危機感を持っていることが分かります。

また、PwCのグローバル調査によるとCEOの3分の2以上(日本でも過半数以上)は、データとアナリティクスの分野がさらに利益を生み出す可能性があり、テクノロジーをさらに駆使してもっとチャンスを広げるべきだとしています。彼らはビジネスで成果を出すのに最も効果的なデータの活用法を自分たちが完全には身につけていないことを十分認識した上で、より適切な決定を下すために情報をもっと活用する「基盤」を作るようにとチームに命じています。

同調査では「イノベーション・ゲームの勝者はテクノロジーとイノベーションを上手に操り、費用効率が良くて便利で機能的、かつ持続可能なプロダクトやサービスを顧客に届けることが出来る者になるだろう」と言及しています。すなわち、テクノロジーは新たなマーケットに到達するための手段であるとともに、それによってマーケティング・インテリジェンスやカスタマー・インテリジェンス(市場や顧客の情報の分析からそれらを理解すること)が得られ、タレントの発見も期待できる、企業経営における単なるコストカットを超えた「成長への道筋を示すもの」だとしています。

 

イノベーションを追求する

社内でイノベーションを活性化させることはCEOにとって優先度の高い事項です。なぜならマーケットへの新規参入者たちが次々に追い上げ、自分たちの既存のビジネスモデルに挑戦し続けてくるためです。

IBMの調査によると、マーケットをリードするCEOの58%が緩やかな改善よりもディスラプティブ(破壊的)なイノベーションの追求に熱心です。「パイオニアは今あるサービスや製品にちょっと手を加えるようなことはしません。彼らは会社そのものをゼロから作り直すのです。」こういったCEOは実験をためらわず迅速に動きます。彼らにとっては失敗とは成功の「必要条件」なのです。

変革はビジネスの様々な分野で同時発生的に起こす必要があります。組織がフットワーク軽く、変化を喜んで受け入れ、コア・コンピタンスとしてイノベーションを受け入れる。それは短い期間採用する小手先の「修正」ではなく、長期的な視野からの「イノベーション」なのです。

 

社員と会社の文化を大切にする

多くのCEOは必要なタレントを適切に雇うことも優先事項の1つに挙げています。KPMGの2016年の調査によると日本の99%(世界では96%)のCEOが次の3年で社員数を増やしたいと述べています。しかし、実際は欲しいスキルを持つ人を見つけたり、既にいる社員の新たなタレントを発掘するためにチームを再訓練することの難しさに直面しています。

優れた人財を自社に惹きつけるためには、会社のカルチャーも大切です。KPMGは次のようにレポートしています。「会社に共感できるミッションがあること。学びと成長に向けた機会とスキルが与えられること。多様性を受け入れるカルチャーが築かれていること。それらが最高の人財を惹き寄せ、雇い続けるために大切なことなのです。そうして今度は、その人財たちがイノベーションで主導権を握る原動力としてビジネスをもっと前進させるのです。」

さらに同社は、会社のカルチャーが与える良い影響は社内に留まらないことも指摘しています。納入業社や顧客は会社が社会においてどのような役割を果たし、どのような活動をしているかをよく観察しており、機能性やコストといった昔ながらの基準よりも広い視点でその会社を支持するかどうかを決めています。そのため、素晴らしいカルチャーを持つ会社には素晴らしい顧客が集まるのです。

 

次のステップへ

成長、リスク、規制への対応、テクノロジー、イノベーション、社員と会社のカルチャー、これら6つの重要な分野に焦点を合わせれば、組織の様々なチームにインパクトを与えることが出来ます。CFOやCIOといった頭文字に「C」が付く役職や彼らに報告する立場にある社員は、自社の強みと弱みをしっかりと調べ、そこから大きな変化を生む機会を見つけ出し、CEOが滞りなく業務執行するのを手伝うのに必要な手順を採らなければなりません。

今後は、今回の内容をさらに深く掘り下げ、CFOやCIOが難題に取り組むにあたっての心構えについて考えてみましょう。

 

原文(英語) : 6 Priorities CEOs Care Most About