新たなレポートが明らかにする、CFO による意思決定に対するインサイト

最高財務責任者 (CFO) による意思決定の実情とはどのようなものでしょうか。また、テクノロジーは意思決定プロセスにどのような影響をもたらすのでしょうか。『FSN Future of the Finance Function 2016』での驚くべき調査結果が明らかになりました。

Virgin グループの創設者、Richard Branson 氏が意思決定について述べた有名な言葉があります。「私の場合、大量の統計データを調査するよりも、本能的な直感に頼ることの方がずっと多いのです」Branson 氏のビジネスに対する炯眼は疑うべくもありませんが、ビッグ データやアナリティクスによりビジネスの意思決定がかつてないほどデータに依存するようになった現代の破壊的なビジネス環境において、直感がなおも支配的である状況は奇妙に思えます。

実際に金銭を動かす財務部門に関して、包括的な調査である『FSN Future of the Finance Function 2016』が最近明らかにした事実は衝撃的といって良いかもしれません。この調査では、財務を担当するシニア プロフェッショナルの 81% が「CFO は意思決定においてさらなる影響力を持つ」と回答する一方で、財務上の戦略的な役割について、少なくとも CFO の 3 分の 1 が直感に基づく意思決定を行っていることが明らかになっています。

「(CFO の) 約 3 分の 1 が、客観的データよりも直感に依存しています. . . .」—FSN 社 CEO、Gary Simon 氏

このレポートでは、財務に関する困難な市場環境を調査するため、さまざまな業種にわたり収集した、世界各国 762 名の財務担当シニア プロフェッショナルの専門的な知見を紹介しています。また、変化するビジネスニーズに対処できる戦略的パートナーとして CFO が進化していく必要性についても説明します。

FSN 社の最高経営責任者 (CEO) 兼 Modern Finance Forum のリーダーである Gary Simon 氏は次のように述べています。「CFO は、将来的には意思決定やテクノロジー、データ ガバナンスの領域でさらに影響力を増すと思われます。しかしその一方で、およそ 3 分の 1 が客観的データよりも直感に依存しており、3 分の 2 がビジネス データのボリュームや多様性をどのように扱い、分析するべきか習熟できていないと述べています。また、イノベーションやプロセスの改善を軽視する CFO も同程度の割合で存在します。また CFO の半数以上が、業務提携に十分な時間を割いていないと回答しました」

時間とテクノロジーにおける障壁

変化への必要性ははっきりと理解されているにもかかわらず、今回の調査では、多くの部分で変革がまだ途上にあることが明らかになりました。それはなぜなのか、回答者たちが明確に自覚する共通認識とは、「取引処理や監査による負荷、あるいはタスク管理のために、戦略的パートナーシップや意思決定に影響を及ぼす力を発揮するだけの余力はほとんどない」ということです。

CFO の 3 分の 2 にあたる回答者は、イノベーションやプロセス改善に使える時間はほとんどないと回答しています。

その責任の主たる所在として、テクノロジーが言及されることがしばしばあります。財務運用に用いられるテクノロジーは、単純な取引処理のために設計されたものであるため、新たな機能を追加するには別のアプリケーションを追加する必要があり、多くの場合、連携のためにミドルウェアやインテグレーションも必要になります。こうした複雑なシステムの維持には莫大なリソースが必要です。また、直近でレガシー ソフトウェアをアップグレードしたことがある場合、そのプロジェクトの苦い思い出から、更改にかかる時間やコストについて考えたくないと感じるのは当然です。財務改革の取り組みが行き詰まりを見せているのは、このような事情によるものです。

こうして、ジレンマに悩まされることになります。適切なテクノロジーを活用すれば、日々の財務タスクを自動化でき、より戦略的なプロジェクトに時間をあてられるようになります。しかし、レガシー テクノロジーを抱える限り、イノベーションのための時間を見つけることは困難になるのです。本調査では、財務のシニア プロフェッショナルのうち 75% が CFO はイノベーションにおいて大きな役割を担うと回答している一方、3 分の 2 は、イノベーションやプロセス改善に使える時間はほとんどないとしています。

新たなモデルが変革を推進

しかし、将来への希望がないわけではありません。Workday のような最新のクラウドベース システムは、単一のモデルで取引、管理、分析、プランニングに対応するよう設計されています。こうした新たなモデルのメリットを活用するには、レガシー システムの更改が必要ですが、これまでにないアプローチのおかげで、時間、コスト、導入のリスクが劇的に軽減されています。システムが導入されると運用効率が向上するため、重要な変革業務に必要な時間を捻出できるようになります。

調査回答者の 60% が、自動化は迅速な意思決定に直接的に影響すると回答しています。

Workday による社内調査¹ では、財務部門の業務を Workday に移行することで、効率が 35% 改善されただけでなく、40% が変革の基礎となる財務データの分析にさらに多くの時間を使えるようになったことが明らかになっています。

移行を検討している人にとって、FSN 社の調査は、財務の将来について非常に明るい展望を示してくれます。事実、こうした新たなソリューション モデルを活用し始めた回答者の 70% 近くが、取引処理にかかる時間が削減できたと述べています。また、同程度の回答者が戦略開発に積極的に関与していると述べており、60% が自動化は迅速な意思決定に直接的に影響すると回答しています。

レポート全文をご覧いただくと、現代の破壊的なビジネス環境における財務の役割に関する新たな見解について貴重な知見を得ることができ、将来への備えをいっそう充実させることができるでしょう。

¹Internal Workday Customer Value Study (顧客価値に関する Workday の社内調査)、2016 年

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