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CFOに求められる将来の成長戦略

 

これは、Workday のブログに Workday スタッフ ライター が英語で投稿した記事です。 日本の読者の皆様も興味を持たれることと思い、この記事を翻訳しました。

 

CFOの役割は変わりつつあります。CFOはCEOから社内の戦略、成長、オペレーショナル・エクセレンスの実践に大きな役割を果たすことを求められているだけではなく、企業の壁を越えてビジネス・パートナーとの緊密な協力をも実現していく必要があるのです。

このようにCFOに大きな役割が期待されるようになった背景には、競争が激化し常に変化し続ける昨今のビジネス環境の存在があります。本記事の前半では、4つのビジネス上の優先事項に注目し、CFOが今後何に注目していくべきかやビジネスを前進させる戦略とは何かに焦点を合わせて解説します。また、記事の後半ではこういったビジネスの要求をサポートするにあたってテクノロジーが果たす役割について説明します。

 

CEOはCFOに期待していることがある。
それは組織全体を見通した成長戦略を練る手伝いをしてもらうことだ。

 

成長

KPMGの「世界CEO調査」によると、CEOの大多数は今後3年間において成長こそが最優先事項だと見ており、このようにCEOが成長に照準を合わせていることは結果的にCFOにも大きなインパクトを与えることになります。CEOはCFOに組織全体を見通した成長戦略を練る手伝いを期待しており、CFOがユニークな観点からアドバイスをしてくれることをも期待しているわけです。なぜなら、CEOを除いては、CFOこそが唯一業務のあらゆる部分まで目を光らせ、財務情報と業務のつながりやその背景を理解できる存在だからです。

KPMGによると、CFOは多数の成長戦略に関わることになります。CEOと共に、自社の成長を目指すのはもちろん、他国に向けてサービスや製品の拡大を押し進めつつ、買収を活用して成長を促進させる計画を立てる役割を担います。今日のダイナミックなビジネス環境のもとで、これはCFOにとって容易なことではありません。なぜなら消費者の行動がサプライチェーンに大きな影響を与え続け、新しいビジネスモデルが市場そのものを破壊し、さらにはタレントの獲得競争が熾烈化しているからです。

 

規制への対応

従来の規制の変更や新たな規制への対応は、今日の会社組織において最も関心が寄せられる内容の1つです。そして、CEOはCFOに対して新たな規制にただ対応するだけではなく、それを利用してビジネスにもっと多くの価値を生み出すことを期待しています。規制は地域や国によってバラバラですが、CFOは単なるコンプライアンスの問題を超えて、規制の変更がどのようにプロセスの能率化やビジネスへの新たなインサイトの獲得といった改善に役立つかを考えていくべきなのです。

例えば、KPMGの“The View from the Top” レポートによると、報告要件の変更はファイナンシャル・サービス業にとって変化のきっかけになります。ほとんどのファイナンス業は、新たな報告要件に合致するようなデータウェアハウス環境(ビジネスを育て、より深いビジネスの理解に活用される)を構築することを急ぎ、それにより一層標準化が進みました。

 

CFOはビジネスの決定やビジネスプランのサポートに役立てるために古めかしいデータを眺める必要はない。

 

ビジネスのインサイト

迅速な経営と規模拡大のプレッシャーにさらされつつも、ビジネスでは組織内での意思決定を手助けするためのリアルタイムな財務分析が求められています。そこでCEOは、CFOと財務部門が戦略上のデータやインサイト、アドバイスを各部門のリーダーに与えて彼らをサポートすることを期待しています。

これにより財務では過去と異なるやり方で仕事が行われるでしょう。トランザクション処理にかける時間を減らし、分析やアドバイスにより多くの時間をかけるのです。CFOやファイナンス・チームはビジネスの決定やビジネスプランのサポートに役立てるために古めかしいデータを眺める必要はないのです。変化に足並みをそろえるには、財務はこの瞬間の全体的なビジネスの眺めを意識しながら仕事をする必要があります。財務データ、そしてタレント獲得やHRのようなその他のデータが互いにどのようなインパクトを与え合っているのか理解する手助けとなります。

 

持続的なイノベーションと変革

CEOは会社のプロダクトとサービスが適切妥当であるか常にプレッシャーを感じており、CFOにイノベーションと変革を起こす手助けをしてもらいたがっています。KPMGの“The View from the Top” レポートによると、調査対象の3分の1のCEOは変革から経験を得ていく姿勢がCFOの最も大切な資質の1つであると言っています。

今日のビジネスは多くの分野で大きな変化の中にあります。それらはディスラプティブなテクノロジーであったり、規制の変化であったり、消費者の要求の変化であったり、予期せぬ競争であったりしますが、これらによって会社は自分たちの置かれた状況を評価し、ビジネスを進化させオペレーション・モデルを競争力のあるものに改良します。そして、このような変化の多くは業種ごとの異なった要求から生じるのです。例えば、使い勝手の良さとデジタル化が求められて自動車業界が大きく変わったり、オムニチャネルが小売業のあり方を変えたのが良い例です。

現在多くの会社では、変化というものは絶え間のないイノベーションと常に新たなものを求め成長を続けるビジネスモデルを取り入れる絶好の機会だと見ています。CFOと財務は、成長の機会やビジネス上の決定に関わるデータとインサイトを提供することで変化への対応をサポートすることが出来るのです。財務にはまた、変化を素早く受け入れ、新しいマーケットに参入したり、買収を行ったり、成功を確実にするための新戦略をサポートする能力も必要です。

 

原文(英語) : The CFO’s Road Ahead: Part 1

 

前半の記事では、CFOの役割を再構築する4つのビジネス上の優先順位(成長、規制環境、ビジネス上のインサイト、持続的なイノベーション)について見てきました。後半の記事では、なぜCFOはこれらの優先順位を実現するためにクラウドベースの財務会計システムにますます期待するようになったのか調査した結果を説明します。

ガートナーによると2018年までに大企業の新しいコア・ファイナンシャル・アプリケーションの少なくとも25%がパブリック・クラウド・SaaSになるとされています(ソース: Gartner, “Predicts 2016: Financial Management Applications,” by John E. Van Decker, Nigel Rayner, Christopher Iervolino, Nov. 23, 2015.) 。多くの場合、このような方向性の決定はトップが行います。また、KPMGの“The View from the Top”レポートによると、多くのCEOはクラウドベースのERPシステムのようなテクノロジーを上手く活用することが将来のCFOの重大な役割の1つになると考えています。

 

財務では変化に素早く順応し、新戦略をサポートできることが求められています。

 

なぜビジネスリーダーたちはクラウドベースのシステムを選ぶのでしょう?大きな理由としては、旧来の財務システムは基本的な会計報告の要件を念頭に設計されたということがあります。今日の変化に会社が対応し、遅れずについていけるようにするものではないのです。

それではなぜクラウドベースの財務システムの導入が近年進んでいるのかを、ここでより深く見てみることにしましょう。

 

リアルタイム・データ&アナリティクス

会社の成長をサポートするため、財務チームはアナリティクスとプランニングに集中すること、さらには「もしもの場合」の答えを見つけることを求められています。そのためビジネスの現状について素早く正確なリアルタイムのデータやインサイトを提供してくれる財務システムが必要となるわけです。コンセンサスを得るためにバラバラのシステムからバラバラの数字を集めてきて財務のプロが手作業でその帳尻を合わせるような真似をすることは時間の無駄以外の何物でもないのです。

 

クラウドベースの財務システムは、素早い成長や急激な変化をサポートする迅速でスケーラブルなテクノロジー基盤を与えてくれる。

 

4カ国で事業を展開するオーストラリアのマーケティング・コミュニケーション・カンパニーのSalmat社は、クラウドベースの財務システムに移行しました。その結果、CFOのRebecca Lowde氏は組織全体から財務データの深いインサイトを得られるようになったのです。クラウドに移行する前は「帳尻を合わせるために、システムから役立つインサイトも特に得られないまま、様々な場所で手作業によって毎月何千時間も費やしていました。」とLowde氏は言います。

財務チームはまた、ビジネス・リーダーがビジネスのスピードに合わせてリアルタイムの財務データやインサイトにアクセスするのを手伝う役割も期待されています。これらの情報を財務部門以外も共有できれば、部門を超えた協力関係を築くことができます。現状のパフォーマンスについてのインサイトが深まればリーダーたちは入念に戦略を練ることができますし必要とあらば進路を修正することもできます。

 

フレキシビリティーとスケーラビリティー

変化のスピードは加速し続けています。そしてビジネスは周囲の環境に合わせて変化します。そのため時代遅れのビジネス・プロセスやシステムは大きな障害になります。新しいマーケット、買収による成長、財務等の多数の分野で成長を目論むCEOは変化に素早く適応し、新戦略をサポートすることを求められています。

クラウドベースの財務システムは、成長と変化にうまく対応するための迅速で規模拡大に対応したテクノロジーを提供してくれます。それはオフライン・プロセス、システム休止期間、手作業等のレガシー・システムの典型と言えるような無駄な時間を節約します。例えば、クラウドベースの新システムのセットアップは数分とは言わないまでも数時間で終わります。これがレガシー・システムではソフトウェアのカスタマイズや多数のシステムをオフラインで調整する必要があって、それは時に数ヶ月もかかることもあります。

King Digital Entertainment Plc社の財務担当副社長であるNick Pointon氏は「急速な成長をサポートし、ビジネスを前進させるテクノロジーの基盤を生み出すために」クラウド・ベースの財務部門に移行すると言っています。

 

運用上の効率

CFOと財務部門はクラウドベースの財務システムの方がはるかに効率が良く、業務にかかる時間が少なくて済み、もっと時間をかける価値のある仕事に時間を割けるようになったことに気づき始めています。クラウドシステムは変化のあるビジネスのプロセスを手助けし、リアルタイムのレポート機能を提供します。ある財務チームでは期限の迫った財務レポートの作成にかかる時間が20%も削減できました。

初めからワークフローやコントロールが備わったクラウドベースの財務システムは、内部監査人の業務をもっと効率良く、効果的にします。内部監査人は、社内の古いシステムでは不十分なのでかなりの時間を使って頻繁に他で情報を集めたりプロセスを認証したりしていますが、クラウドベースの財務システムを使えば、古いシステムでは何週間もかかるところをわずか数秒で必要な情報にアクセスできるようになります。そして、その結果未来に向けて社内の様々な人々とコラボレーションする時間を多く取れるようになるわけです。

 

大きく変わるCFOの役割

ビジネス環境がダイナミックに常に変化し続けるなかでCFOの役割は大きく進化しつつありますが、それは同時にCFOにとっては今はエキサイティングで挑戦しがいのある時期が訪れたとも言えます。変化のペースに追いつき、うまく成長の軌道に乗っていくためにCFOは財務システムを注視し続け、それが今日や未来のビジネス・デマンドをサポートするものか評価しなければなりません。

 

原文(英語) : The CFO’s Road Ahead, Part 2