CEO の懸念事項に対し CFO ができること

最高経営責任者 (CEO) の最大の懸念事項は何でしょうか。最近の CEO 調査から、この答えを探ってみました。Workday の Robynne Sisco が、CFO に直接関係する 4 つの優先事項について解説します。

CFO の最大の懸念事項は何でしょうか。ビジネスを前進させるには、この質問に対する答えを CFO が知っていることが重要です。Workday ではこの答えを探るために、大手コンサルティング会社が実施した最近の CEO 調査をいくつか調べ、その結果をこちらのブログにまとめました。

このブログでは、明らかになった CEO の優先事項の中から、CFO に関連すると思われる 4 つの事柄を紹介します。

成長する。『KPMG Global CEO outlook survey』によると、ほとんどの CEO はコスト効率よりも成長を重視しています。採算性の向上はすべての企業にとっての主要指標ではありますが、これを実現するためには成長を促す投資が必要です。つまり、収益を上げるためには投資が必要で、しかも賢い方法で投資しなければなりません。CFO は採算性と成長のバランスが適正であるか評価する必要があります。この判断に大きな役割を担うのが利用可能な良質なデータです。良質なデータがあれば、CFO と財務チームは財務面の影響、たとえば新規市場で期待できる投資利益率やコストについて適切に助言することができます。

リスクを取る。この調査では、CEO の 3 人に 1 人が成長戦略に関して十分なリスクを取っていないと回答しました。CFO は財務面で保守的だというレッテルを貼られがちですが、CFO は CEO と足並みを揃え、想定内のリスクを前向きに捉えていかなければなりません。ビジネスとテクノロジーは目まぐるしく変化し、ある程度のリスクを取らなければ企業は取り残されてしまいます。CFO はデータを活用して、存在するリスクや予測される結果の振り幅を算出できるでしょう。それを基にビジネスリーダーと協力して結果を比較検討することで、賢くリスクを取ることができます。

規制の変更に対応するPwC 社の第 19 回『Annual Global CEO Survey』では 79% の CEO が規制を最優先の懸念事項に挙げました。これは当然のことでしょう。多くの企業から「懸念事項として真っ先に浮かぶのは現在の規制環境と柔軟性のない財務システム」という声を聞いています。世界はますます複雑化しており、事業展開地域の規制環境について最新情報を得ることが欠かせなくなりました。規制の変更に上手く対応し、迅速に解決策を見いだせるよう、CFO は企業を主導していく立場にあります。そのためには、財務システムとその運用に柔軟性があり、比較的容易に変化に対応できる必要があります。

ビジネスをサポートし、有意義なリアルタイムの情報を提供するテクノロジーの導入について、CFO が意見を主張する場面が増えているように感じます。

テクノロジーを活用する。私たちの暮らし方や働き方において、テクノロジーはこれからも大きな役割を果たしていくことでしょう。IBM 社のグローバル経営層スタディによると、CEO はテクノロジーを重要な差別化要因であるとし、企業に最も影響を及ぼすテクノロジーとしてモバイル、ソーシャル、クラウドを挙げています。変わることは簡単ではありません。しかし、CFO には、最新のシステムとテクノロジーを導入して企業の前進を支援するという重要な役割があります。これは成長のペースを遅らせ必要なデータを提供できないレガシー システムから脱却するチャンスです。数十年前に設計された財務システムでも会計、コンプライアンス、意思決定に十分使用できる、という考え方はもう許容できません。ビジネスをサポートし、有意義なリアルタイムの情報を提供するテクノロジーの導入について、CFO が意見を主張する場面が増えているように感じます。これは大きな変化であり、CFO という役職にとってエキサイティングな時代ではないでしょうか。

CFO の世界は進化していますが、常に変わるべきでないのは CEO と足並みを揃え、その最優先事項をサポートする能力です。この共同調査は私にとって興味深いものでした。財務リーダーの皆さまはどのように感じたでしょうか。これらのコンサルティング会社が示した問題は真実味がありますか?それとも、もっと大きな懸念事項があると思われますか?フィードバックをお待ちしております。

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