モバイル アクセサリの需要は高まっています。しかし収益予測プロセスが成熟していなかった ZAGG 社では、売上がガイダンス予測を下回り、高額なコストが発生していました。Workday Adaptive Planning を活用してデータドリブンな組織へと移行した ZAGG 社は現在、分析機能とインサイトを活用して主要なビジネス推進要因を把握し、製品の収益を正確に予測しています。また、重要業績評価指標 (KPI) のリアルタイムな可視化により、ビジネスリーダーは製造/流通コストのプランニングを改善し、財務レポートの作成時間を大幅に短縮しています。
課題
- 需要予測の精度が低いため、予想外の運送費が発生していた
- 割引や価格設定が利幅に与える影響を正確に分析する必要があった
- 販売システム、ERP システム、CRM システムが連携していなかった
導入結果
- 12 か月間のローリング フォーキャストを通じて売上を正確に予測した結果、運送費を節約し、800 万ドルのコスト削減を達成
- 製造/流通コストを正確に可視化し、同社の製品ポートフォリオ全体の利幅を拡大
- 手作業による月次レポート作成を自動化し、作業時間を 1 年間あたり 24 日分節約
オンラインで常時つながれた今日の世界では、物事が速いペースで変化します。携帯電話やタブレットが手放せない消費者は、モバイル機器を保護・強化するアクセサリを積極的に購入しています。しかし競争の激しいモバイル アクセサリ業界で他社をしのぐためには、コストを明確に把握する必要があります。販売店と適切な価格条件を取り決めていない場合、最も人気のある製品であっても利幅が縮小する可能性があるからです。利幅を改善するためには、戦略的な FP&A を通じて費用対効果が高い方法で新製品を開発し、世界各地のあらゆる販売チャネルの流通コストを最小化する必要があります。このような対応を怠ると、需要の高い製品を開発しても、需要予測を誤った場合に想定外の高額な運送費が発生する可能性があります。
ZAGG 社で FP&A マネージャを務める Jason Bingham 氏は、このような財務上の問題や、データドリブンな最新の FP&A システムを使用するメリットを明確に理解しています。Workday Adaptive Planning を活用することにより、同社の財務部門と各リーダーは、消費者が求めているモバイル アクセサリの開発を進めつつ、分析機能やインサイトを駆使して主要なビジネス推進要因を詳細に把握し、市場の変化にすばやく対応しています。
Bingham 氏は次のように述べています。「財務部門はすべての部門の戦略会議に参加します。販売契約の審査から製品ライフサイクルの管理に至るまで、財務部門はビジネスのあらゆる側面に関与するからです。製品のコストや利幅に影響を与えるものを把握するためには、可視化を戦略的に進める必要があります」
Workday Adaptive Planning を導入し、12 か月間のローリング フォーキャストを通じて売上を予測した結果、ZAGG 社は収益状況を理解し、製造/流通コストを正確にプランニングできるようになりました。同社は毎週、SKU ごとに売上を予測して売上原価を計算し、実際の売上を分析して好調な製品を特定し、採算性の報告を行っています。What-If シナリオの実行やアドホック レポートの生成もスムーズに実施しています。
「このシステムは元を取る以上の働きをしてくれ、ビジネスを改善する上で大変役立ちました。すべては利幅に表れています。この 1 年間で当社の製品ポートフォリオ全体の利幅は 5% 近く増加し、1,000 万ドルの増益を達成しています」と Bingham 氏は述べています。
データドリブンな組織になるための戦略を策定する
Bingham 氏が 4 年前に ZAGG 社に入社した当時、この株式公開企業の収益予測、予算編成、レポート作成のプロセスは成熟していませんでした。営業担当者はある程度の売上予測を行っていましたが、ほとんどの製品需要予測が正確ではありませんでした。その結果、製品を中国から緊急輸送することもあり、その場合は料金が割高になるので、利幅に悪影響が及びました。また、顧客割引や卸売価格設定が利幅全体に与える影響を正確に分析することも困難でした。Bingham 氏が ZAGG 社に入社した年、同社の純売上高はガイダンス予測を 33% 下回りました。
Bingham 氏は次のように述べています。「当社の予測には 100 ドル以上の誤差がありました。そのため、財務部門が収益予測を担当し、標準的な財務プロセスを構築することになりました」
ZAGG 社はこのような主要な対策を講じて組織改革を実施しました。データ インサイトや戦略的分析を活用し、より費用対効果が高い方法で製品を開発・流通する組織へと移行を図ったのです。もう 1 つの決定打は Workday Adaptive Planning の導入を決定したことでした。Workday Adaptive Planning のコネクタを使用すると、ZAGG 社に存在する ERP システムや顧客関係管理システムのデータを取り込んで集約することができます。Bingham 氏と彼のチームは現在、一元化された包括的なデータ リポジトリにすばやく簡単にアクセスし、正確な収益予測、プランニング、レポートを提供して、ZAGG 社に大きなメリットをもたらしています。
財務収益予測を改善して利益を拡大する
新しいシステムは導入直後から性能を発揮し、Bingham 氏と彼のチームはデータの戦略的分析や改善分野の特定をはるかに容易に行えるようになりました。同社の最大の目標は製品供給の問題を解決し、経費を削減することでした。Bingham 氏と彼のチームは Workday Adaptive Planning を使用して製品の収益を正確に予測し、製品の発注プロセスの可視性を改善しました。メンバーは現在、運送コストを適切に把握しています。また、消費者の需要や売上予測が可視化されたため、費用対効果の高い方法で製品を発注しています。たとえば十分なリードタイムを確保し、夜間航空便よりもコストの低い海上便を活用しています。
Bingham 氏は次のように述べています。「Workday Adaptive Planning によって経費をより綿密に管理し、利幅を改善することができました最初の 1 年間で 800 万ドル節約できました。これは運送費の課題を解決できたことで生じたものです」。これまではミーティング中に営業担当エグゼクティブが売上の修正を報告し、Bingham 氏は数値が変更された原因を突き止める必要がありました。現在はすべての部門が同じシステムを使用しているため、誰もが同じ情報を正確かつリアルタイムに把握することができます。その結果、12 か月間のローリング フォーキャストや週次売上予測を含め、収益予測の精度について、営業担当者が担う責任はより重くなりました。
リアルタイムな可視化によって高度なインサイトを取得する
先進的な FP&A システムの導入が ZAGG 社にもたらしたもう 1 つの大きなメリットは、リーダーがダッシュボードを使用して重要業績評価指標 (KPI) のパフォーマンスを継続的に確認し、意思決定を改善できるようになったことです。たとえば営業マネージャは、売上割引の影響を確認することも、売れ筋製品を特定することもできます。一方製品マネージャは、実績と予測の差異を追跡し、売上が好調な製品を特定できます。さらにはどの色の製品が最も需要が高いかという分析も実行できます。またエグゼクティブは、すばやく情報を確認して軌道修正を行い、製品の流通問題を回避することができます。利幅が目標値に到達するかどうか判断することもできます。
さらに Bingham 氏と彼のチームは、Workday Adaptive Planning OfficeConnect を活用してレポート作成を行うことにより、財務レポートの作成に費やす作業時間を大幅に短縮しています。財務担当者は毎月、主要な勘定科目や製品カテゴリごとに複数のレポートを生成する必要があります。Workday Adaptive Planning を導入した ZAGG 社は、人財 2 人あたりの 1 日の作業時間分を毎月節約しています。これは年間平均でレポート作成時間 24 日分に相当します。
「Workday Adaptive Planning を導入したことで、自分の役割は以前よりも大幅に戦略的なものになっています。チーム内では、レポートを作成することよりも、円滑な意思決定を支援することに使う時間が増えました。これは大きなメリットです。当社の成功に大きく貢献できるからです」と Bingham 氏は述べています。
Workday Adaptive Planning を導入したことで、自分の役割は以前よりも大幅に戦略的なものになっています。チーム内では、レポートを作成することよりも、円滑な意思決定を支援することに使う時間が増えました。これは大きなメリットです。ZAGG の成功に大きく貢献できるからです。
ファイナンシャル プランニングおよび分析担当マネージャ