QinetiQ 社は主に防衛、セキュリティ、航空宇宙の各業界で事業を展開している大手理工系企業です。6,000 人の社員中 3,000 人以上がサイエンティストやエンジニアで占められている同社は、社員の経験や専門知識を活用することで、顧客が直面している最も喫緊の課題を把握し、対処しています。顧客の厳しい要求を満たすため、QinetiQ 社は常に高レベルなエンゲージメントやパフォーマンスを促進させる文化の構築に多大な投資を行ってきました。組織開発およびアーリー キャリア担当ディレクターを務める Claire Watson 氏は次のように述べています。
「組織を動かすのは人財です。当社は顧客に成果をもたらす独自の技術的スキルや能力を備えています。ビジネスの中心に人財を据えている理由はここにあります」
Workday Peakon Employee Voice を導入して以降、QinetiQ 社では文化についての話し合いが組織規模で行われるようになりました。さらにマネージャの意思決定やフィードバックへの対応が強化され、ビジネスを長期的に成功させる基盤を確立させています。
以下は Claire 氏のストーリーです。
文化について話し合いを開始する
当社は文化を非常に重視してきました。私は文化について定期的に話し合うことが重要だと考えています。私たちは当社で働くメリットや問題点、改善点について話し合います。これまで当社はタウン ホール ミーティングなどのグループ フォーラムを利用してきましたが、1 つの部屋に数百人集まると、非常に勇気のある人だけが意見や質問を述べることが少なくありません」
「Peakon では誰もが等しく発言できるため、障壁が取り除かれ、これまで気づかなかったテーマを明らかにすることができます。当社はマネージャ、社員、シニア リーダーが何を望んでいるのか把握したいと考えています。そうすることで、組織は新たな可能性を見出すことができるからです」
フィードバックを提供するように求めると、人財は極めて積極的に反応します。そのため、よりオープンに話し合いを行い、協調的に問題を解決することができます。
マネージャに適切な情報を提供する
文化とエンゲージメントについて話し合いを開始した後は、フィードバックを使用して社員の懸念や改善分野に対応する必要があります。この取り組みの中心となるのは、マネージャとチーム リーダーです。このアプローチはこれまでと大きく異なる点のひとつです。特に従来のエンゲージメント調査と比較すると違いが明らかになります。以前は全員からフィードバックを受け取り、数か月間の集計期間を経た後、主要な結果を発表していました。発表時点で数か月間が経過しており、当初と情勢が変わっているため、人財は措置が講じられなかったことに当惑します。
「マネージャは現在、強力なサポートを確保しています。面倒な作業は Workday Peakon Employee Voice が実行するため、マネージャが対処する必要はありません。すべてが自動的に分析されて結果が導出されるため、マネージャは時間と労力を節約できます。代わりに必要な措置に専念することも、自身の主要任務であるチーム指導に注力することもできます」
当社は「Enabling Managers」というプログラムも作成しました。これはマネージャの役割やマネージャがチームに与える影響について人財が理解できるようにサポートすることを目的としています。当社は優れたマネージャになるために必要なものをマネージャに提供したいと考えています。そして Workday を活用することで、マネージャはチーム内で何がうまく機能していて、何を改善できるかを把握することができます。
「マネージャの反応は極めて肯定的でした。特に受け取る情報が完全にフィルタリングされていない点を評価していました。当社は組織に存在する 600 人以上のマネージャに強力なサポートを提供できるようになりました。これは大きな変化です」
優れたマネージャになるべく生まれついた人はいないこと、マネージャは難しい職務であることを留意することが重要です。そのため、当社はマネージャ同士がオープンに話し合いを行い、相互に学べる環境を構築することを目指しています。
フィードバック ループを閉じる
「QinetiQ ではマネージャへのアドバイスとして『共有する、行動する、ループを閉じる』ことを勧めています」
ループを閉じる最善例の 1 つは、パフォーマンス報酬フレームワークの実装です。これは Workday Peakon Employee Voice の導入によって実現されました。このフレームワークには、当社の報酬や福利厚生パッケージのあらゆる要素と、社内で ThankQ と呼んでいるピアツーピア レコグニション スキームが含まれます。このフレームワークの仕組みについて詳しく知りたいというフィードバックが Workday を通じて寄せられたため、当社はマネージャを通じて対応することに決めました。つまりマネージャがフレームワークを理解し、チームからの質問に答え、あらゆる内容をオープンかつ明確に説明できるようにサポートを提供したのです。Workday から得たフィードバックにより、人財が ThankQ スキームを通じて同僚の優れた業績を認識できるようになったこと、またこのような業績が「今月の最高の出来事」として頻繁に話題に上っていることが確認されています。当社では毎年、優れたパフォーマンスを称えるレコグニション祝賀会を開催しています。人財は優れた業績を上げたことに強い誇りを感じることができます。
その結果、ここ 1 年間で報酬の推進要因が 15% 向上しています。
組織開発およびアーリー キャリア担当ディレクター
Workday から得たフィードバックで明らかになったもう 1 つの注目分野はキャリアアップです。当社のマネージャの多くは、キャリアアップへの明確な道筋が見えないというチームの声に真剣に耳を傾けてきました。このような状況を受け、チームはキャリアパスを開拓し、スキルや経験を伸ばす方法についてディスカッションを行うようになりました。また、グループレベルのアクションを推進する「Engagement In Action Plan」もループを閉じる役割を果たしています。このプランでは、個々のフィードバック期間が終了すると、その情報がすべての社員と共有されます。これにより、前回の調査を実施して以降、何がうまく機能しているのか、何を改善できるのか、社員フィードバックに対してどのような措置が組織規模で行われているのかを共有することができます。
一度につき 1 つのアクションに注力する
組織全体からフィードバックを求めるのは難しいと思われるかもしれませんが、留意すべき点は、エンゲージメントが共通責任であるということです。調査結果を共有し、導出されたテーマについて話し合いを行うことで、チームをトレーニングすることができます。チームをトレーニングすることで、何らかの対処が必要になった場合、人財はシニアに頼るだけでなく、ソリューションに貢献できるようになります。当社にはまだやるべきことがあり、文化を継続的に促進することで、ビジネスの成長をサポートしていきたいと考えています。取り組みをどこから始めればよいか判断するのは難しいかもしれません。当社が Workday の導入経験から学んだことは、一度につき 1 つのアクションに注力することが、文化を速やかに変革する鍵となるということです。
結果がすべてを物語っています。Workday Peakon Employee Voice を導入して以降、エンゲージメントは前年比で 10% 上昇し、組織全体にエンゲージメントを浸透させることができました。
組織開発およびアーリー キャリア担当ディレクター